知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2025年5月12日~5月17日)
5月12日~5月17日の週のNYダウは、経済指標の結果と関税に関するニュースに翻弄されやすい展開になると考えられる。
一方、日経平均株価は概ね堅調に推移するだろう。
先週の振り返り
5月5日~5月10日の週の日経平均株価は堅調に推移した。
5日(月)と6日(火)は祝日のため、東京株式市場は休場だった。
7日(水)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したが、この日の日経平均株価は買い優勢でスタートすると上昇。
しかし、円高や関税政策に関するニュースに押されて失速し、小動きとなった。
後場の日経平均株価は、この日行われるFOMCを前に様子見ムードとなり、前週末比51円03銭安の36,779円66銭とほぼ横ばいで取引を終えた。
8日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて反発してスタートすると堅調に推移した。
後場の日経平均株価は、関税交渉の進展を好感して上昇幅を拡大したが、その後は上値の重い展開となり、前日比148円97銭高の36,928円63銭で取引を終えた。
9日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇した流れを引き継ぎ、買い優勢となると37,000円台を回復。
後場の日経平均株価は、高値圏で推移すると一時600円超高となったが、前営業日比574円70銭高の37,503円33銭で取引を終えた。
今週のNYダウは?
5月12日~5月17日の週のNYダウは、経済指標の結果と関税に関するニュースに左右される展開になると考えられる。
特に、13日(火)発表の4月米消費者物価指数や15日(木)発表の4月米小売売上高の結果には注意が必要だ。
6日(火)、7日(水)に開催された米FOMCでは、事前予想どおり、3会合連続で政策金利の据え置きを決定。
声明文では、経済については全体として引き続き堅調なペースで拡大しているとの見方を示す一方で、これまで同様、インフレ率は幾分高止まりしているとした。
加えて経済見通しについては、「不確実性は一段と高まった」として、FRBは失業率とインフレ率の上昇リスクが高まっていると判断したと述べている。
その後のパウエルFRB議長の記者会見においても、経済は依然として健全と述べた一方で、トランプ米政権による関税政策について触れ、大きな不確実性があるとの見方を示した。
また、現在様子を見ているとして、利下げは急がず、従来の方針を継続することを改めて強調した。
このように、大方の予想どおり利下げは行われなかったが、市場は早期利下げを依然として期待している。
先月行われた講演で、パウエルFRB議長は「当面は、状況がより明らかになるまで政策変更の検討を待てる状態にある」と述べ、トランプ米政権による関税政策の影響について様子見姿勢を示した。
また、「物価の安定をなくして強い雇用は実現しない」として、インフレ抑制をしばらくは優先する考えであることを明らかにしたことから、今回のパウエルFRB議長の発言は、これまでの姿勢を改めて強調したものと言えるだろう。
そのため、今後は再び米経済指標の結果に市場の注目が集まると考えられる。
前述した13日(火)発表の4月米消費者物価指数の結果が弱いものになった場合、利下げ時期の前倒しを市場は期待すると考えられるため、NYダウやナスダック総合指数にとっては追い風になりそうだ。
一方、4月米小売売上高の結果が弱いものになった場合には、米国の景気に対する不安から、NYダウやナスダック総合指数にとっては逆風になると考えられる。
また、5月12日~5月17日の週も関税交渉に関する報道には注意したい。
10日(金)、11日(土)にスイスで米中高官による直接協議が行われる予定だが、関税を巡る両国の対立が緩和される結果になるかどうかに市場の注目が集まると考えられる。
関税の引き下げにつながる結果となった場合には、NYダウやナスダック総合指数にとっては支援材料になる。
しかし、進展せずに終わった場合には、NYダウやナスダック総合指数には強い下押し圧力がかかりそうだ。
今週の日経平均株価は?
5月12日~5月17日の週の日経平均株価は、概ね堅調に推移しそうだ。
ただし、日本企業の本決算がまだ続いており、注目度の高い企業の決算内容次第では、日経平均株価が不安定になる場面も考えられるため、注意する必要がある。
今週の推奨セクター
5月12日~5月17日の週に推奨したいのは、食品の中でも米国から原料を調達している比率の高いところである。
小麦や大豆、トウモロコシといった主要穀物は米国が主要生産地であり、トランプ米政権の追加関税に対する報復関税により、需給が緩和して相場が下落する可能性がある。
そのため、これらを多く扱う食品メーカーのうち、米国からの原料調達割合が大きいところにとってはメリットになりそうだ。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、自動車部品の中でもタイヤを扱うところである。
日本自動車タイヤ協会が発表した3月国内タイヤ販売本数は、市販用が前年同月比+3.4%、新車用が同+1.7%となった。
新車用に関しては、1月と2月が2桁増だったことを加味すると、伸びが縮小。
中央発條の爆発事故が影響したとみられている。
4月の販売本数も近日中に発表されると考えられるが、前述の爆発事故の影響がどの程度続くのかということに加え、トランプ米政権による関税措置の影響が重しになると考えられる。
その結果、輸出向けの国内生産が減少する可能性もあるため、避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
5月12日~5月17日の週は、13日(火)発表の4月米消費者物価指数や15日(木)発表の4月米小売売上高のほかに、15日(木)に4月米卸売物価指数、5月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、4月米鉱工業生産、16日(金)に5月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表がある。
また、16日(金)に日本の1-3月期四半期GDP(速報値)の発表がある。
これらの結果や内容に注意が必要だ。