知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
皆さん投資検討する時の参考にしてください。
延長を希望される方がいたので当面の間延長します。感想などコメントや感想・問い合わせから教えてもらえると嬉しいです。
なお、当ブログに寄稿を希望されるブロガーさんがいらっしゃいましたら、こちらからご連絡くださいませ。
感想・問い合わせ - 1億円を貯めてみよう!chapter2
今週の相場見通しについて(2023年6月19日~6月24日)
2023年6月19日~2023年6月24日の週のNYダウは、概ね堅調に推移すると考えられるが、21日(水)および22日(木)に行われるパウエルFRB議長の議会証言には注意が必要だ。
日経平均株価も円安を追い風に堅調に推移するだろう。
先週の振り返り
2023年6月12日~6月17日の週の日経平均株価は堅調だった。
12日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウやナスダック総合指数の上昇を受けて上げ幅を拡大する展開となった。
後場の日経平均株価は、高値警戒感から売りが出たため伸び悩み、前週末日比168円83銭高の32,434円00銭で取引を終えた。
13日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の上昇を受けてプラス圏でスタートすると561円超上昇する場面もあるなど上値を伸ばした。
後場の日経平均株価は600円超上昇する場面もあるなど続伸したが、買いが一段落すると利益確定売りに押され、前日比584円65銭高の33,018円65銭で取引を終えた。
14日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇した流れを引き継いで買い優勢となったが、33,500円を前に利益確定売りに押されると一進一退が続いた。
後場の日経平均株価は、600円超上昇するなど大型株が牽引し、一時33,400円を上回る場面もあったが、前日比483円77銭高の33,502円42銭で取引を終えた。
15日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウの下落を受けて日経平均株価は前日比小幅マイナスでスタートすると、前日終値を挟み一進一退の展開となった。
後場の日経平均株価は先物主導で上げ幅を拡大したが、利益確定売りに押され、前日比16円93銭安の33,485円49銭で取引を終えた。
16日日(金)は、前日のNYダウが反発し、ナスダック総合指数も続伸したものの、日経平均株価は衆院解散が見送られたことが悲観され、前日比マイナス圏でスタートすると、軟調な展開となった。
後場の日経平均株価は、日銀が金融政策決定会合で大規模金融緩和の維持を決定したことによる円安進行を受けて買い戻し優勢となり、前日比220円59銭高の33,706円08銭と反発し、バブル崩壊後の高値を更新して取引を終えた。
NYダウは概ね堅調に推移する
2023年6月19日~6月24日の週のNYダウは概ね堅調に推移すると考えられる。
なぜなら、注目度の高い米経済指標の発表が少ないからである。
13日(火)および14日(水)開催のFOMCでは、事前予想どおり金利の据え置きが決定した。
その一方で、FRB当局者による政策金利の見通しであるドットチャートの中央値が、前回と比較して引き上げられたことがサプライズとなった。
前回のドットチャートの中央値は、2023年が5.1%、2024年が4.3%、2025年が3.1%となっていたが、今回のFOMCでは2023年が5.6%、2024年が4.6%、2025年が3.4%と前回よりも引き上げられている。
2023年に関しては、前回の見通しから0.50pt(0.25ptの利上げが2回分)引き上げられたこととなった。
14日(水)のFOMC終了後の会見において、パウエルFRB議長は、インフレ圧力は依然として高水準の状態が継続し、インフレ率を2%に戻すプロセスにはまだ長い道のりが残されていると話した。
加えて、ほぼ全てのFRB当局者が、インフレを鈍化させるためには、2023年中に幾分かの追加利上げが適切との見通しを立てていることを明らかにしている。
なお、7月の追加利上げの有無については明確な回答はしなかったが、7月は状況次第で決定するライブ会合になると発言。
また、利下げはインフレの鈍化が顕著になってから行うため、2年ほど先になる可能性が高いとの見通しを示した。
以上のとおり、パウエルFRB議長の会見内容は、タカ派姿勢の維持が改めて示されたものの、利上げを視野に金利を据え置くのではなく、引き続きデータを重視する意向を示すものとなっている。
したがって、今後も市場は注目度の高い経済指標の結果に一喜一憂する展開になりそうだ。
ただ、2023年6月19日~6月24日の週に関しては、既述したとおり、米雇用統計や米消費者物価指数といった注目度の高い指標の発表はない。
そのため、基本的には堅調に推移すると考えられるが、21日(水)と22日(木)のパウエルFRB議長の上院・下院における発言には注意する必要がある。
パウエルFRB議長は、21日(水)に米下院で、22日(木)に米上院で半期金融政策報告に関する議会証言を行う。
7月の利上げ再開や利上げ長期化を示唆する発言があった場合にはNYダウは急落する可能性もあるため、注意が必要だ。
ほかにも、各連銀総裁の利上げに関する発言にも引き続き注意したい。
なお、19日(月)は米国市場が祝日のため休場となることに留意する必要がある。
日経平均株価は、材料難も円安を追い風に堅調に推移
2023年6月19日~6月24日の週の日経平均株価は、材料難ではあるものの、円安を追い風に概ね堅調な地合いが続くと考えられる。
今週の推奨セクター
2023年6月19日~2023年6月24日の週に推奨したいのは、地銀の中でも株主還元に積極的なところである。
地銀全体では外債損失などの悪材料はいったん出尽くした感があり、貸出金も伸びて役務利益も堅調である。
日銀の金融政策変更が遠のいたことで、一時期ほど買われていないものの、増配や自社株買いなど株主還元に積極的な地銀は今後も選好されやすいと考えられる。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは銅や銅製品を扱うところである。
銅の最大消費国であり輸入大国でもあった中国が、銅精錬所の生産能力を上げて自国での生産を進めている。
銅の供給量が増えるとみられるため、避けた方がいいだろう。
今週の経済指標
なお、2023年6月19日~6月24日の週は、21日(水)と22日(木)のパウエルFRB議長による議会証言のほかに、22日(木)に5月米中古住宅販売件数、23日(金)に6月米製造業PMI(速報値)、6月米サービス業PMI、6月米総合PMIの発表がある。
また、21日(水)には日銀金融政策決定会合議事要旨の発表がある。
これらの結果にも注意したい。
Copyright secured by Digiprove © 2023