知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
皆さん投資検討する時の参考にしてください。
延長を希望される方がいたので当面の間延長します。感想などコメントや感想・問い合わせから教えてもらえると嬉しいです。
なお、当ブログに寄稿を希望されるブロガーさんがいらっしゃいましたら、こちらからご連絡くださいませ。
感想・問い合わせ - 1億円を貯めてみよう!chapter2
今週の相場見通しについて(2024年10月21日~10月26日)
10月21日~10月26日の週のNYダウは不安定に、日経平均株価は方向感の出にくい展開になりそうだ。
先週の振り返り
10月14日~10月19日の週の日経平均株価は軟調だった。
14日の東京株式市場は祝日のため休場だった。
15日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて、7月19日以来の40,000円台を回復してスタートし、堅調に推移した。
後場の日経平均株価は高値圏でこう着状態となり、前営業日比304円75銭高の39,910円55銭で取引を終えた。
16日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の下落を受けて売り優勢となると、下げ渋る展開となった。
後場の日経平均株価は、材料難から安値圏でもみ合いが続き、前日比730円25銭安の39,180円30銭と大幅反落して取引を終えた。
17日(木)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことから、日経平均株価は買い優勢となったが、上げ幅を縮小すると39,000円を割り込んだ。
後場の日経平均株価は安値圏でもみ合いが続き、前日比269円11銭安の38,911円19銭と続落して取引を終えた。
18日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことから買い優勢となったが、その後はもみ合いとなった。
後場の日経平均株価は、様子見ムードで小動きとなり、前日比70円56銭高の38,981円75銭と小反発して取引を終えた。
今週のNYダウは?
10月21日~10月26日の週のNYダウは不安定な展開になりそうだ。
その理由として、米企業の決算発表が続くことが挙げられる。
10月14日~10月19日の週は主に半導体関連企業の決算発表に市場の注目が集まった。
なかでもオランダの半導体製造装置メーカーであるASMLホールディングが15日(火)に誤って発表した(本来は翌日に発表する予定だった)2024年7-9月期決算は、受注額が26億ユーロと市場予想の40-60億を大幅に下回ったうえに、2025年の業績予想を下方修正したことがネガティブサプライズとなった。
スマートフォンやコンピューターの製造企業の売上回復が遅れていることが原因とみられている。
ASMLホールディングの決算を受けて、エヌビディアやADRなどの半導体関連銘柄は軒並み下落することとなり、フィラデルフィア半導体指数も大幅安となった。
また、バイデン米政権が、エヌビディアやAMDなど米半導体メーカーが製造するAI向け半導体について、国ごとに上限を設けるなど規制強化に乗り出すことを検討中であるとの報道があったことも、フィラデルフィア半導体指数の大幅下落につながったようだ。
10月14日~10月19日の週は、ボーイングやゼネラル・モーターズ、IBMなど注目度の高い企業の決算発表が予定されているが、なかでも注目される可能性が高いのが、テスラである。
テスラの7-9月期決算に関する市場予想は、総収入が前年同期比8.5%増の253.32億ドル、1株当たり利益(EPS)は12.1%減の0.58ドルとなっている。
市場予想を大幅に上回る結果になればNYダウにも好影響が及ぶと考えられるが、反対に大幅に下回った場合にはNYダウにも下押し圧力がかかる可能性があるため、注意したい。
また、10月21日~10月26日の週も、FRB関係者や各連銀総裁などの発言に注意する必要がある。
14日(月)にフーバー研究所で講演を行ったウォラー理事は、米景気が想定以上に強いとしながらも、「利下げペースに対しては、9月会合で必要とされた以上の慎重さを持って進めていくべき」との見方を示した。
そのため、市場ではFRBの利下げが継続し、米経済を下支えするのではないかとの見方がされているようだ。
FOMCを前に、26日(土)以降、FRB関係者が金融政策に関する発言を自粛するブラックアウト期間に突入するため、10月21日~10月26日の週はFRB関係者による発言に注意を払う必要がある。
なお、10月21日~10月26日の週は23日(水)に米地区連銀経済報告(ベージュブック)の発表がある。
米地区連銀経済報告はFOMCで金融政策を決める際に重視されるため、内容に注目したい。
さらに、10月21日~10月26日の週は、中東情勢に加えて米大統領選の動向についても留意したほうがよさそうだ。
今週の日経平均株価は?
10月21日~10月26日の週の日経平均株価は、方向感のない展開が続くだろう。
米国のみならず日本においても企業決算が始まるため、日経平均株価はその結果に左右されそうだ。
また、衆院選の動向にも注意したい。
自民党が単独では過半数割れとなるとの見通しが強まっているが、自公で過半数割れとなる可能性が出てきた場合には、日経平均株価の下押し材料になる可能性がある。
今週の推奨セクター
10月14日~10月19日の週に推奨したいのは広告である。
経産省が発表した「特定サービス産業動態統計調査」によると、今年8月の広告業売上高は前年同月比11.8%増と4か月連続でプラスとなり、5-7月と比較して伸びが拡大。
テレビ、インターネット広告ともに好調が確認でき、広告需要が回復する兆候が見えてきたこと、為替の円高傾向から個人消費の回復に期待できることから、今後も堅調に需要が続く見通しが強まっているため、ポジティブである。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、紙パルプである。
下期にかけて国内の段ボール価格の値上げや円高進行によるコスト抑制、大手各社の段ボール製品や洋紙などの値上げ予定など、業績に好影響を与える材料がある一方で、内需停滞や古紙調達価格の上昇によるコストプッシュの恐れがある。
このことを背景に、10月1日に発表された日銀短観では、紙・パルプの先行きの悪化が見込まれている。
そのため、避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、10月21日~10月26日の週は、23日(水)の米地区連銀経済報告(ベージュブック)のほかに、22日(火)に10月米リッチモンド連銀製造業指数、24日(木)に 10月米製造業PMI、10月米サービス業PMI、10月米総合PMI、9月米新築住宅販売件数、25日(金)に9月米耐久財受注、10月米ミシガン大学消費者態度指数(確報値)の発表がある。
これらの結果に注意が必要だ。