知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年11月18日~11月23日)
11月18日~11月23日の週のNYダウと日経平均株価は、方向感の出にくい展開になりそうだ。
先週の振り返り
11月11日~11月16日の週の日経平均株価は軟調に推移した。
11日(月)は、前週末のNYダウとナスダック総合指数が堅調したものの、この日の日経平均株価は売り優勢となると下げ幅を縮小する場面もあったが、マイナス圏で推移した。
後場の日経平均株価は足踏み状態となり、前週末比32円95銭高の39,533円32銭で取引を終えた。
12日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことを受けて、買い優勢で取引を開始すると上昇したが、上値の重い展開となった。
後場の日経平均株価は、利益確定売りに押されて300円超下落する場面もあったが、前日比157円23銭安の39,376円09銭で取引を終えた。
13日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したことから売り優勢となると、下げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価も売り優勢となると、700円超安になるなど下げ幅を拡大する場面もあったが、前日比654円43銭安の38,721円66銭で取引を終えた。
14日(木)は、前日のNYダウが上昇した一方でナスダック総合指数が下落したことから、日経平均株価は買い優勢でスタートした後、もみ合いとなった。
後場の日経平均株価は小幅上昇してスタートしたが、半導体株の売りに押されて前日比185円96銭安の3万8535円70銭で取引を終えた。
15日(金)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したのとは裏腹に、日経平均株価は円安を追い風に買い優勢でスタートすると、上げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は円安を好感して堅調に推移し、前日比107円21銭高の3万8642円91銭で取引を終えた。
今週のNYダウは?
11月18日~11月23日の週のNYダウは、方向感の出にくい展開になりそうだ。
理由の1つが、20日(水)に発表されるエヌビディアの決算だ。
決算の内容を見極めたいと様子見ムードが広がると考えられるため、20日(水)までは方向感が出にくいだろう。
エヌビディアの決算内容がよければ、半導体関連株やAI関連株を中心に米株価は強含みになると考えられ、NYダウにとっても好影響となりそうだ。
ただ、エヌビディアが好決算であった場合でも、注意しなければならないのが米経済指標である。
13日(水)に発表された10月米消費者物価指数は前月比+0.2%、前年同月比+2.6%といずれも事前予想どおりの結果となった。
また、FRBが注目する変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数については、前月比+0.3%、前年同月比+3.3%となり、こちらも事前予想どおりの結果となっている。
想定内の結果に着地したものの、消費者物価指数は前月比が前回から横ばい、前年比では前回より上昇している。
また、コア指数は前月比、前年比ともに前回から横ばいとなっているため、上振れを警戒している市場にとって安心できる結果になったといえるが、同時にインフレの高止まりが意識されているようだ。
インフレが横ばい状態にあるため、市場が望む利下げペース加速がやや遠のいているのではないかとの見方も浮上している。
10月米消費者物価指数の結果を受けて、FRBは利下げペースを速めることに慎重になるのではないかとの意見もあり、12月の米FOMCで利下げが行われるか否かということに市場は注目している。
そうした中、14日(木)に米ダラス連銀のイベントで講演したパウエルFRB議長が、利下げペースは事前に決まっておらず、経済が非常に良好であることから、「利下げを急ぐ必要はない」「経済データが許せば、利下げをゆっくり進めるのが賢明だろう」と発言したことが報じられた。
パウエルFRB議長の発言を受けて、この日のNYダウは下落している。
以上のことから、11月18日~11月23日の週は米経済指標の結果にも注意したい。
なお、15日(金)に発表された10月の米小売売上高は、事前予想の前月比+0.3%を上回る同+0.4%となり、月による変動が大きい自動車や同部品を除く売上高は同+0.1%と、事前予想の同+0.3%を下回る結果となった。
この結果を受けて、この日のNYダウは軟調に推移している。
11月18日~11月23日には、米消費者物価指数ほど注目度の高い経済指標の発表はないが、21日(木)の11月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、10月米中古住宅販売件数など複数の米経済指標の結果が発表される。
これらの結果にNYダウが影響されることが考えられるため、注意が必要だ。
また、FRB関係者をはじめとする要人発言にも併せて注意したい。
今週の日経平均株価は?
11月18日~11月23日の週の日経平均株価も、方向感で出にくい展開が予想される。
国内企業の決算が一巡することに加え、20日(水)のエヌビディアの決算を前に様子見ムードとなりそうだ。
もしもエヌビディアの決算が市場予想を下回る弱いものであった場合には、日経平均株価も半導体関連銘柄を中心に軟調に推移すると考えられるため、注意が必要だ。
今週の推奨セクター
11月18日~11月23日の週に推奨したいのは、銀行、保険などの金融関連である。
トランプ氏が大統領選で圧勝し、上・下院の両方で米共和党が勝利するトリプルレッドとなった。
トランプ新政権の下、金融規制の強化が緩和されたり、法人税率が引き下げられたりする可能性が考えられることから、米国での利益依存度が高い銀行や保険などにとっては追い風になるとみられ、ポジティブである。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは食品の中でも飲料を中心に手掛けているところである。
市場の関心は来期に移りつつあるが、材料難であったり、市場が注目している分野が予想以上の好業績になる可能性が少なかったりと、ポジティブ要素が少ない。
決算内容がそれほどよい内容になる可能性も低いため、選好されにくいだろう。
今週の経済指標
なお、11月18日~11月23日の週は、21日(木)の11月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、10月米中古住宅販売件数のほかに、19日(火)に10月米住宅着工件数、22日(金)に11月米製造業PMI、11月米サービス業PMI、11月米総合PMI、11月米ミシガン大学消費者態度指数の発表があるため、これらの結果にも注意したい。
また、22日(金)に、日本の全国消費者物価指数の発表もあるため、その結果にも注意したい。