知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2025年2月10日~2月15日)
相場見通し(2025年2月10日~2月15日)
2月10日~2月15日のNYダウと日経平均株価は不安定な展開になりそうだ。
先週の振り返り
2月3日~2月8日の週の日経平均株価は上昇する日もあったが、週間では軟調だった。
3日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウが下落したことに加えて、トランプ米政権の関税が懸念されて大幅反落でスタートすると、軟調に推移した。
後場の日経平均株価は安値でこう着状態となり、前週末比1,052円40銭安の38,520円09銭と大幅下落して取引を終えた。
4日(火)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落した影響から、日経平均株価は売り優勢となった。
後場の日経平均株価は様子見ムードが広がると小動きになり、前日比278円28銭高の38,798円37銭と反発して取引を終えた。
5日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が反発したことから、買い優勢でスタートすると、円高を受けて上げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は、トヨタなど好決算を発表した銘柄を中心に買いが入ったため、前日比33円11銭高の38,831円48銭で取引を終えた。
6日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことから、買い優勢となったが、一巡すると上げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は円高が一服したことから底堅く推移し、前日比235円05銭高の39,066円53銭で取引を終えた。
7日(金)は、前日のナスダック総合指数が上昇した一方、NYダウは下落したことから、日経平均株価は軟調に推移した。
後場の日経平均株価は、この日発表の米雇用統計を前に様子見ムードとなり、前日比279円51銭安の38,787円02銭で取引を終えた。
今週のNYダウは?
2月10日~2月15日の週のNYダウは不安定な展開が続くだろう。
その理由として、12日(水)の1月米消費者物価指数をはじめとする米経済指標の発表があることに加え、同じく12日(水)にパウエルFRB議長の発言が予定されているからである。
7日(金)に発表された1月米雇用統計は、非農業部門雇用者数変化が事前予想の前月比17.0万人増に対し、同14.3万人と下回る結果となった。
その一方で、失業率は事前予想の4.1%に対し4.0%と改善。
12月の非農業部門雇用者数変化についても、前回発表の25.6万人から30.7万人に修正された。
労働市場が予想よりも弱いことが判明したものの、失業率が改善していることに加えて、前回の非農業部門雇用者数変化は上方修正している。
平均時給の伸びが市場を上回るなどの好材料もあり、強弱まちまちな結果ではあるが、健全な労働市場が確認できる内容であったといえよう。
非農業部門雇用者数変化は想定より弱かったが、労働市場は底堅く推移し、賃金は依然として上昇傾向であるため、FRBが3月に利下げを行う可能性は後退したと考えられる。
そのため、発表直後のNYダウの反応はもみ合いとなったが、その後は軟調に推移した。
2月10日~2月15日の週は、前述した1月米消費者物価指数のほかに、14日(金)には1月米小売売上高の発表もある。
強い内容となった場合には、米国の景気に対する安心感が広がると考えられるが、利下げの可能性が後退することから、NYダウが下押しされる可能性があるため、結果に注意したい。
冒頭で触れた、12日(水)に予定されているパウエルFRB議長の発言内容にも市場の注目が集まると考えられるため、併せて留意する必要がある。
また、2月10日~2月15日の週も、引き続きトランプ米大統領の発言やトランプ政権の発表がNYダウの動向に大きな影響を与えるだろう。
トランプ米大統領は、3日(月)にメキシコのシェインバウム大統領、カナダのトルドー首相とそれぞれ協議し、当初4日(火)に発動する予定だった25%の関税を1ヶ月先に延期することで合意したと発表。
中国に関しては、4日(火)にすべての中国製品に対し10%の追加関税が発動した。
中国は最大15%の報復関税を課すと発表したが、米大統領令には報復措置に対するさらなる税率の引き上げや対象品目の拡大が盛り込まれていることから、今後の動向が懸念されている。
さらに、トランプ米政権は、7日(金)に多くの国に対する相互関税を来週発表する計画であることを明らかにしている。
貿易相手国が米製品に課す関税と同率の関税を課すという内容であるため、2月10日~2月15日の週も、このことがNYダウの動向に影響を与える可能性がある点に注意が必要だ。
今週の日経平均株価は?
2月10日~2月15日の週の日経平均株価は不安定な展開になりそうだ。
その理由として、足元では円高が進行していることに加えて、米国が日本に対し関税を課す可能性が浮上していることが挙げられる。
8日(土)には、トランプ米大統領が、米対日貿易赤字が解消しない場合には日本に関税を課すことが選択肢になると述べたことが報道された。
日本企業の業績への影響が懸念されることから日経平均株価の押下げ材料になりそうだ。
加えて、米国の関税引き上げの影響が比較的少ないとみなされている日本円に資金が流入しているため、円高が進んでいることも日経平均株価の押下げ材料になっている。
そのため、2月10日~2月15日の週の日経平均株価は不安定になりやすく、上昇した場合も上値が重くなりそうだ。
なお、11日(火)は祝日のため、東京株式市場が休場になることに留意したい。
今週の推奨セクター
2月10日~2月15日の週に推奨したいのは、不動産の中でも首都圏でオフィスを展開しているところである。
空室率が低下していることに加え、賃料も上昇傾向にある。
需要も堅調であることから、今後も賃料の上昇が続く見通しであることに加え、オフィス回帰が続いていることも追い風になると考えられるため、ポジティブである。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、食品である。
2026年3月期もコスト高のほか、人件費や輸送費などの値上げの影響を受けそうだ。
売上回復や構造改革、食品事業以外の事業の好調などという好材料がある場合は別だが、そうでない場合には避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、2月10日~2月15日の週は、12日(水)の1月米消費者物価指数、パウエルFRB議長の発言、14日(金)の1月米小売売上高のほかに、13日(木)に1月米卸売物価指数、14日(金)に1月米鉱工業生産の発表があるため、これらの結果や内容に注意が必要だ。