投資詐欺の事件を一覧にしてみました。そのうち各事件を個別にも紹介していこうとは思いますが、まずはまとめから。
基本的に立件されたものか、被害者の会が結成され告訴された案件に限っていますが、告訴段階や立件されても不起訴処分になったものは除外しています。太陽光発電詐欺も進行中のものが多いのですが、企業として立件などされているのが少ないく、やむなく除外。
また、10億円以上の案件を紹介しますが、GM(キクラゲオーナー制度)とイニシア・スター証券(ラブホテルファンド)はその投資が珍しい案件なので紹介しています。
改めて調べてみましたが、保全経済会以外は記憶にある事件ばかりで感慨にふけってしまいました。
モレや間違いなどがあるかもしれませんので、コメントなどで教えてください。もちろん追記します。
投資詐欺事件まとめ
会社名 または 団体名 |
破綻年 | 被害総額 (億円) |
資金収集方法など | 公称最高 配当金利回り (年利) |
---|---|---|---|---|
保全経済会 | 1953 | 44 | 投資による高配当を保証 (被害総額は現在価値[消費者物価指数比]で277億円) |
8% |
豊田商事 | 1985 | 2,000 | 純金ファミリー契約証券 | 10% |
投資ジャーナル事件 | 1985 | 580 | 投資推奨銘柄提供のための会員権、株式売買保証金 | 不明 |
オレンジ共済組合 | 1996 | 93 | オレンジスーパー定期 | 7% |
経済革命倶楽部 | 1996 | 350 | 競球事業先払いコースなど | 272% |
エンジェルファンドネットワーク | 2000 | 103 | ベンチャー企業への融資 | 18% |
大和都市管財 | 2001 | 1,112 | 抵当証券 | 10% |
八葉グループ | 2002 | 1,500 | 商品の委託販売のための出資金 | 100% |
リッチランド | 2004 | 500 | 沈没船の引き上げ、ロシアやルーマニアの不動産投資など | 50% |
平成電電匿名組合 | 2005 | 500 | 社債 | 10% |
エイワン・コミュニケーションズ | 2005 | 135 | 未公開株など | 22% |
ジェスティオン・プリヴェ・ジャポン | 2005 | 320 | プライベートバンクによる外国為替商品、沈没船の発掘など | 240% |
近未來通信 | 2006 | 400 | IP電話中継局オーナー制度 | 53% |
キングダムトラストニューヨーク | 2006 | 300 | 新規公開株とデリバティブを組合わせた商品(元本保証確約) | 23% |
エフ・エー・シー | 2006 | 135 | 100万円で毎月5万円配当がでるFXCDソフト | 60% |
ふるさと共済牧場 | 2007 | 238 | 和牛オーナー制度 | 10% |
エル・アンド・ジー | 2007 | 1,000 | 仮想通過「円天」 | 36% |
ワールドインベストメント | 2007 | 33 | 未公開株 | 不明 |
ワールドオーシャンファーム | 2007 | 850 | えび養殖事業への投資 | 80% |
イー・マーケティング | 2009 | 150 | 未公開株 | 不明 |
アイディジャパン・サクセスジャパン | 2009 | 200 | ベンチャー企業未公開株式へ投資する投資事業組合 | 不明 |
夢大陸 | 2010 | 67 | 外貨建て外国債券の販売 | 不明 |
ジャパンエージェンシー | 2010 | 50 | インドネシアの石油採掘事業への投資 | 96% |
安愚楽牧場 | 2011 | 4,207 | 和牛オーナー制度 | 16% |
GM(ジーエム) | 2012 | 4 | キクラゲオーナー制度(キクラゲ菌床投資) | 不明 |
ワールドゲートカンパニー | 2012 | 42 | 海外商品先物オプション取引 | 2倍から3倍 |
MRIインターナショナル | 2013 | 1,365 | MARS投資(診療報酬請求債権を利用したファンド) | 9% |
イニシア・スター証券 | 2013 | 4 | ラブホテルファンドなど | 8% |
スピーシー | 2013 | 450 | スポーツブックアービトラージ投資 (スポーツブックメーカーを利用した裁定取引) |
180% |
FIRST不動産 | 2015 | 20 | カンボジアのマンション投資 | 不明 |
シンフォニー | 2015 | 60 | 高配当FXファンド | 36% |
三越伊勢丹特別会員詐欺(個人) | 2015 | 11 | 三越伊勢丹の特別会員(1口100万円)で4万円分の商品券がもらえる | 4% |
ヴァンネット | 2016 | 36 | ワイン投資ファンド | 29% |
クエストキャピタルマネージメント | 2016 | 113 | 日経225先物(1000分の1秒単位で発注をくり返すため勝率は100%で月9%の利回り) | 108% |
当然ですが利回りは公称であり実際には出ていないケースばかり
利回りについてはその会社や団体が資金を集めるための公称です。安愚楽牧場のように長期にわたって配当を続けていたケースもありますが、実際には1回目か2回目の配当を出すことで信用を得たうえで、集金を加速してドロンというケースが多いようです。
それぞれ香ばしい案件ですが、あまりにも高利すぎて目もくらみそうな案件をちょっとピックアップ。
経済革命倶楽部は、20万円を競球事業先払いコースに入金すると毎月5万円が10回支払われるというもので、年利に直すと272%になります。(経済革命倶楽部の実態は、ねずみ講です)
ジェスティオン・プリヴェ・ジャポンについては、海外のプライベートバンクを利用すれば3ヶ月で60%の利回りが可能というこをうたっていましたので、これも年利に直すと240%。
って2倍以上ですので、普通はおかしいと思うところですが、富裕層向けのセミナーの演出等も凝っていたようでかなりの額を集めました。
スピーシーはブックメーターの賭け倍率でサヤ取引(裁定取引)すれば月15%の確定配当を出すという甘美なキャッチフレーズに加えてマルチ商法のように階層別に勧誘を行って上層部に送金するという仕組のコンボで多額のお金を集めました。月15%ですので、年利に直すと180%。1年で1.8倍ってマジカヨ・・・・。
ワールドオーシャンファームは1年3ヶ月の投資で資金が倍増するうたい文句が売りでしたが、年利に直すと80%です。
利率もさることならが、投資家が新たな投資家を紹介すると、最大2.5%の報酬を支払や指導料を支払うといういわゆるネットワークビジネスのような集金システムにより被害金額が膨大な額になりました。
投資詐欺に騙されないためには?
いずれの事件も巨額の資金を集めており、被害者の数も膨大です。
お金を増やすために、節約したり、投資したり、運用するのは大切ですが、こういった詐欺案件に手を出さないことがまずは絶対の近道です。
過去の事例をみると、表面化すると、預けたお金がほとんど返ってこない事例ばかり(表面化する前から償還に応じないものも多数ですが・・)ですので、少しでも不安を感じたら手を出さないのが常道です。
ただし、理屈は分かっていても理性が止められない場合もあるかと思いますので、投資詐欺に騙されないためには次の3つだけを忠実に守ればほとんどが回避できると思います
商品の仕組が理解できるのか?
高利の利率を提示する商品は、金融詐欺案件でなくても、仕組債のようにオプション取引を組み入れたものあり、その仕組が大変複雑です。
そのような商品の仕組が理解できなければ、貴方にとって投資する価値はありませんので、すっぱりと諦めることが肝要です。
高利の商品をなぜ他人に売りつけるのかを立ち止まって考える
FXの自動売買システムファンドなどがいい例ですが、そのような高利を稼ぐシステムがあるならば自分のお金を運用してせっせとお金を稼げばイイ話であり、他人を巻き込む必要はありません。
また高い利回りを見込める投資案件ならば、わざわざ個人からお金を集めなくても、普通ならば銀行からお金を低利で借りて自分で事業をします。低利で借りれば高い利率による配当金を第三者に渡す必要がないのに、なんで個人からお金を集めるのでしょうか?
つまり、こんな高利のうまい話をわざわざ個人に薦めなければならないのか、一旦立ち止まって考えて見ましょう。
その場で契約せず第三者に相談する
一番大切なのは、自分で決めて契約する前に第三者に相談することです。
無料投資セミナーをうたって人を集めてたうえで、うまく話術で誘導して、会場の熱気がさめないうちに契約させる案件もあります。いわゆる催眠商法の手口を利用したものです。
催眠商法から抜け出すことはなかなか難しいのですが、うまい話を聞いたからといっても、その場で契約せず、一旦家に帰って自問自答したうえで、中立の第三者に相談してください。
相談する相手がいなければ、Yahoo知恵袋などで相談すれば、止めるコメントが多くつくと思います。
質問が公開されるのが不安であれば、私にでも相談していたければと思います。もちろん喜んで止めますよ。
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