知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2021年6月28日~7月3日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
方向感の出にくい状態が続く
2021年6月28日~2021年7月3日の日経平均株価は、2日(金)発表の6月米雇用統計を前に、方向感の出にくい状態が続くと考えられる。
先週の日経平均株価は29,000円台を回復
2021年6月21日~6月26日の日経平均株価は29,000円台を回復した。
21日(月)は、米国の利上げ前倒しが意識されて円高が進行したことが重しとなった。
そのため、日経平均株価は900円超下落する場面もあるなど終始軟調で、前営業日比953円15銭安で取引を終えた。
22日(火)は、前日のNYダウの上昇を受けて日経平均株価は大幅反発し、前日比873円20銭高で取引を終えた。
23日(水)と24日(木)の日経平均株価は、下落する銘柄が多かったものの、一部の値嵩株が上昇したことで、方向感の出にくい状態に。
23日(水)は前日比9円24銭安、24日(木)は前日比0円34銭高とほぼ横ばいで取引を終えた。
25日(金)は、前日のNYダウが上昇したことから、日経平均株価はIT関連株を中心に上昇。
しかし、利益確定売りに押されて次第に上げ幅を縮小し、前日比190円95銭高の29,066円18銭で取引を終えた。
29,000円台を回復も上値は重い
このように、2021年6月21日~6月26日の日経平均株価は、週の前半は急落・急騰、週半ば以降は方向感が出にくい状態となった。
25日(金)に上昇し、29,000円台を回復したものの、上値は重かったと言えよう。
なお、21日(月)の日経平均株価の大幅下落は、前週末に米CNBCテレビのインタビューに応じたブラート米セントルイス連銀総裁が、2022年終盤の利上げ開始を予想していると明らかにしたことが原因だ。
この発言を受けて円高が進行し、日経平均株価は一時28,000円を割り込んだ。
一方、22日(火)の日経平均の大幅上昇は、前日の講演で、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が「インフレは一時的」「FOMCが金融政策のスタンスを転換するほど十分な回復にはなっていない」と発言し、米金融当局が現状の金融緩和策を継続することを強調したことが原因だ。
早期金融緩和縮小への懸念が後退したことから、日経平均株価は急反発した。
2日の6月米雇用統計までは積極的に動きにくい
2021年6月28日~2021年7月3日の日経平均株価は、2日(金)の米6月米雇用統計を前に、週半ばからは方向感の出にくい状態になるだろう。
2023年中に2回の利上げを行う見通しが示された今回のFOMC以降、ブラート米セントルイス連銀総裁やカプラン米ダラス連銀総裁などによるタカ派発言が、相場の懸念材料となっている。
ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁の発言以降、足元の金利上昇は一時的なものとの見方が市場では大勢を占め、早期金融緩和縮小に対する懸念はいったん後退しているが、それでも、2日(金)発表の米6月米雇用統計の結果には注意が必要だ。
事前予想を上回るなど、雇用改善が伺える好調な結果となった場合、再び金融緩和の早期縮小や利上げ時期の前倒しが意識される可能性がある。
その結果、米株安と円高が進行し、日経平均株価は21日(月)のような大幅下落が再び起きる可能性も否めない。
また、日本独自の材料に関しては、1日(木)に4-6月期日銀短観・四半期大企業製造業業況判断の発表があるものの、サプライズがあったとしても、米雇用統計の発表を前に一時的なものにとどまると考えられる。
そのため、2021年6月28日~2021年7月3日の週は、基本的には新規材料に乏しいため、積極的買いが入りにくい状態が続くだろう。
米雇用統計を前に様子見ムードが強まり、株式市場は全体的に方向感に欠けた展開になると考えられる。
今週の推奨セクター
なお、2021年6月28日~2021年7月3日の週で推奨したいのは、機械である。
中でも、工作機械やFA(ファクトリーオートメーション)については、日本国内はもちろん、北米、欧州、中国での回復が顕著で、受注が高まる可能性がある。
そのため、工作機械やFAを扱う会社の株価は概ね堅調に推移するだろう。
今週の非推奨セクター
反対に避けたいのは、引き続き、金融である。
ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁の発言により、米国の早期金融緩和縮小への懸念はいったん後退したものの、払拭されたわけではない。
経済指標の結果が、米国の景気回復が顕著なものとなれば、金融緩和の縮小や米国の利上げが前倒しされるのではとの見方から、売られやすい状態になるだろう。
特に2021年6月28日~2021年7月3日の週は米雇用統計が控えているため注意が必要だ。
今週の経済指標
なお、2021年6月28日~2021年7月3日の週は、1日(木)の4-6月期日銀短観・四半期大企業製造業業況判断、2日(金)の米6月米雇用統計の他に、30日(水)に6月米ADP雇用統計、 1日(木)に6月米ISM製造業景況指数が発表される。
30日(水)の6月米ADP雇用統計と1日(木)の6月米ISM製造業景況指数は米雇用統計の前哨戦という位置づけとなることから、注目したい。
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