知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2021年12月6日~12月11日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
方向感が出にくいか
2021年12月6日~2021年12月11日の週の日経平均株価は、基本的には方向感が出にくいと考えられる。
ただし、オミクロン株に関する報道は引き続き下押し圧力となるため、注意が必要だ。
先週の振り返り
2021年11月29日~2021年12月4日の週の日経平均株価は軟調だった。
29日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウがオミクロン株の感染拡大への懸念から大幅下落したことを受け、大きく下げた。
NYダウ先物の上昇が後押しして前週末終値とほぼ同水準に戻す場面もあったが、アジア株安を受けて売り優勢となり、日経平均株価は前週末比467円70銭安の28,283円92銭で取引を終えた。
30日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の反発を受けて半導体関連株を中心に買いが入り、上昇。
しかし、買いが一服するともみ合いから売り優勢となり、日経平均株価は前日比462円16銭安の27,821円76銭で取引を終えた。
1日(水)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が大幅反落した一方、日経平均株価は値ごろ感から買いが入り、28,000円を回復。
幅広い銘柄で買いが入ったものの、後場に入ると上値の重い展開となり、日経平均株価は前日比113円86銭高の27,935円62銭で取引を終えた。
2日(木)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が大幅続落したことから、日経平均株価も下落したが、買い戻しが入りプラス圏に浮上する場面もあった。
しかし、買い戻しが一巡すると売り優勢となり、軟調に。
後場も、日経平均株価は軟調に推移したものの、値嵩株に押し目買いが入ったため下げ渋り、前日比182円25銭安の27,753円37銭で取引を終えた。
3日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が反発したことから、買われる展開に。
この日は米雇用統計の発表があるため、様子見ムードが強くもみ合いが続いた。
後場に入ると、米製薬大手メルクが新型コロナウイルスの経口治療薬の製造販売承認を厚生労働省に申請したとの報道を好感して買い戻しが入り、日経平均株価は前日比276円20銭高の28,029円57銭で取引を終えた。
オミクロン株感染数に左右される神経質な展開に
2021年12月6日~2021年12月11日の週の日経平均株価は、神経質な展開になると考えられる。
オミクロン株の感染が世界的に拡大している。
3日(金)までに少なくとも39か国で感染が確認され、うち12か国では市中感染が確認された。
日本でも、ナミビアとペルーから入国した2名にオミクロン株の感染が確認された。
オミクロン株はデルタ株より毒性は弱いとされているが、感染力が強く、回復傾向にある世界経済に悪影響を及ぼすのではないかと警戒されている。
また、オミクロン株の感染拡大と同時に懸念されているのが、インフレの進行だ。
パウエルFRB議長は30日(火)の米上院銀行委員会で、インフレ高進が来年半ばまで続くとの見通しを示し、インフレ動向について、これまでの「一過性」という表現を取り下げた。
さらに、次回のFOMCにおいて、大規模な債券買い入れプログラムの縮小加速を検討すべきと述べた。
これを受け、次回12月14日(火)と15日(水)のFOMCでテーパリングの加速を決定した場合、世界経済に下押し圧力がかかるのではないかとの懸念が広がっている。
また、3日(金)発表の11月米失業率が改善したことや、11月ISM非製造業景況指数が事前予想を上回ったこと、そして、ブラード米セントルイス連銀総裁が同日の講演で、2022年に2回の利上げ予想を維持していると発言したことも、早期利上げに対する市場の警戒感を強めることとなった。
そのため、2021年12月6日~2021年12月11日の週は、FOMCを翌週に控えて日経平均株価は神経質な展開になりやすく、方向感が出にくいだろう。
その一方で、オミクロン株に関する報道が下押し圧力になりやすい状態は続くと考えられ、注意が必要だ。
今週の推奨セクター
2021年12月6日~2021年12月11日の週に推奨したいのは、紙・パルプである。
オミクロン株の出現により原油価格がいったん下落しているため、紙・パルプセクターにとっては追い風になるだろう。
今週の非推奨セクター
反対に避けたいのは、引き続き空運である。
オミクロン株には軽症との報告がある一方、不明な点も多い。
詳細が判明するまでは、感染動向に関するニュースが空運株を下押しする可能性が考えられる。
また、食品の中で値上げを発表した企業も、避けた方が良いだろう。
コロナ禍による特需が剥落する中での値上げとなるため、販売数量減が予想され、株価の下押し材料になる可能性がある。
今週の経済指標
なお、2021年12月6日~2021年12月11日の週は、8日(水)に日本の7-9月期四半期GDPが発表される。
また、10日(金)には、11月米消費者物価指数と12月米ミシガン大学消費者態度指数の発表があるため、これらの結果にも注意が必要だ。
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