知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2022年5月9日~5月14日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
ダウは不安定だが日経225は底堅い展開か
2022年5月9日~2022年5月14日の週のNYダウは不安定な展開が続くと考えられる。
一方、日経平均株価は底堅いものの、企業決算の結果に左右されやすい展開になるだろう。
先週の振り返り(日本株式市場)
2022年5月2日~2022年5月7日の週の日経平均株価は、2日間しか市場が開かなかったが、小幅ながらも上昇した。
2日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウやナスダック総合指数が乱高下したことを受けて、マイナス圏に沈むともみ合いが続いた。
値嵩株のファーストリテイリング(9983)に買いが入ったことで小幅高になる場面もあったが、日経平均株価は前週末比29円37銭安の26,818円53銭で取引を終えた。
6日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウが大幅下落した流れを受け、軟調に。
しかし、輸出関連株やファーストリテイリング(9983)、東京エレクトロン(8035)などの上昇が後押ししてプラス圏に浮上すると、日経平均株価は前営業日比185円03銭高の27,003円56銭で取引を終えた。
先週の振り返り(米国株式市場)
東京株式市場が連休で休場中の米株式市場では、3日(火)と4日(水)の米FOMCを前に方向感の出にくい展開が続いた。
積極的な利上げに対する警戒感から、2日(月)のNYダウはもみあいが続くも小反発、FOMC初日の翌3日(火)も会合の結果発表を前に方向感の乏しい展開となったが小幅上昇した。
4日(水)は、FOMCでFRBが政策金利を事前予想どおり0.5pt引き上げたことを受けてNYダウは大幅続伸。
警戒されていた0.75ptの利上げの可能性が後退したことが安心感につながり、この日のNYダウは前日比932.27ドル高で取引を終えた。
しかし、翌5日(木)は一転して急速な米金融引き締めへの警戒感が広がり、NYダウは前日比1063.09ドル安で取引を終えた。
大幅利上げに対する警戒感がくすぶる
2022年5月9日~2022年5月14日の週のNYダウは、引き続き不安定な展開が続くと考えられる。
6日(金)発表の4月米雇用統計の結果が雇用環境の改善が伺えるものとなり、労働市場のひっ迫による賃上げが、インフレ圧力につながることへの警戒感がくすぶると考えられるためである。
4月米雇用統計は、4月非農業部門雇用者数が事前予想の前月比+39.1万人に対し、同42.8万人と事前予想を上回った。
失業率は、事前予想の3.5%に対し、3.6%と3月と変わらなかったが、コロナ禍前の2020年2月の水準に近づいている。
平均時給については、事前予想どおりの前年同月比+5.5%となっていることから、人手不足解消のため、引き続き企業の賃上げ傾向が続いていることが伺える。
この結果を受けて、NYダウは金利高を警戒して下落した。
4日(水)のFOMC終了後に行われたパウエルFRB議長の記者会見では、0.75ptの引き上げは積極的に検討していないと発言。
6月と7月の会合でも0.5ptの利上げを続ける意向を示したため、市場では大幅利上げに対する警戒感がいったん後退した。
しかし、翌5日(木)には、0.5ptの連続利上げや量的引き締めによる景気失速が不安視され、NYダウの大幅下落につながっている。
今回発表された米雇用統計の堅調な結果を受けて、市場では大幅利上げに対する警戒感がくすぶるだろう。
また、パウエルFRB議長の発言どおり0.75ptの利上げが行われないとしても、FRBのタカ派姿勢は続くとみられ、金利高に対する市場の警戒感は続くと考えられる。
すでに発表された米企業の1Q決算も緩やかな増益傾向となっていることから、金利高に対する市場の警戒感を跳ね返すほどの業績相場になるとは考えにくい。
そのため、NYダウは上値が重く、不安定な展開になるだろう。
特に11日(水)発表の4月米消費者物価指数や12日(木)発表の4月米卸売物価指数の結果には注意したい。
一方、2022年5月9日~2022年5月14日の週の日経平均株価は、基本的にはNYダウの動向を受ける展開にはなるものの、円安がポジティブ材料となり、概ね底堅く推移すると考えられる。
なお、2022年5月9日~2022年5月14日の週は3月期決算企業の本決算が多く発表される。
トヨタ(7203)、ソニー(6758)など注目度の高い企業の決算発表が予定されているため、これらの企業の決算内容に日経平均株価は左右されるだろう。
値嵩株の一角である任天堂(7974)や東京エレクトロン(8035)の株価動向が、日経平均株価の動向に影響を与える可能性が考えられるため、決算内容には十分に注意した方が良い。
今週の推奨セクター
2022年5月9日~2022年5月14日の週に推奨したいのは、大手商社である。
商社は資源価格の高騰が業績への追い風になっている。
5月2日(月)発表の三井物産(8031)や双日(2768)の業績は好調だった。
他の大手商社も資源高が業績の追い風になると考えられるものの、ロシア事業が懸念材料である。
ただ、ロシア向けエクスポージャーが比較的大きい三井物産の今期会社計画が上振れ余地があると考えられていることが安心材料となり、大手商社は概ね堅調に推移するだろう。
今週の非推奨セクター
一方避けたいのは、ハイテク関連である。
米国では利上げに伴う景気悪化が懸念され、ハイテク株中心のナスダック総合指数が大幅下落し、引き続き不安定な展開が続くと考えられる。
日本のハイテク関連銘柄もその動向の影響を受けやすいと考えられるため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
2022年5月9日~2022年5月14日の週は、11日(水)の4月米消費者物価指数や12日(木)の4月米卸売物価指数の他に、13日(金)に5月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表がある。
また、9日(月)には日銀金融政策決定会合議事要旨が公表される。
これらの結果や内容には注意が必要だ。
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