知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年7月15日~7月20日)
2024年7月15日~7月20日の週のNYダウは底堅い展開が続くと考えられる。
日経平均株価は、週の前半は方向感の出にくい展開になりそうだ。
先週の振り返り
7月8日~7月13日の週の日経平均株価は、週の終わりに大幅下落したが、週間では堅調だった。
8日(月)は、前週末のNYダウやナスダック総合指数が上昇したものの、日経平均株価売り優勢でスタートすると、切り返して上昇した。
後場の日経平均株価は史上最高値を上回る場面もあったが、その後は上げ幅を縮小すると、前週末比131円67銭安の40,780円70銭で取引を終えた。
9日(火)は、前日のNYダウが下落した一方でナスダック総合指数が上昇したことから、日経平均株価は値がさ半導体株の上昇を受けて買いが広がると、取引時間中の史上最高値を更新。
後場の日経平均株価は、値嵩株が牽引して900円超高となる場面もあったが、前日比799円47銭高の41,580円17銭で取引を終えた。
10日(水)は、前日のNYダウが下落したことを受けて日経平均株価は売り優勢となったが、金融株の上昇を受けて切り返すと堅調に推移した。
後場の日経平均株価は値がさ株に買いが入り300円超高となる場面もあったが、前日比251円82銭高の41,831円99銭で取引を終えた。
11日(木)の日経平均株価は買い優勢となると史上初となる42,000円台に上昇し、取引時間中の史上最高値を連日で更新した。
後場の日経平均株価は幅広い銘柄に買いが入ったことから堅調に推移し、前日比392円03銭高の42,224円02銭と初の42,000円台で取引を終えた。
12日(金)は前日のNYダウが上昇した一方でナスダック総合指数が下落したことから、日経平均株価は売り優勢となると、下げ幅が1,000円を超える場面もあった。
後場の日経平均株価は、利益確定売りに加えてアジア株の下落も影響し、前日比1,033円34銭安の41,190円68銭と4日ぶりに大幅反落して取引を終えた。
今週のNYダウは?
7月15日~7月20日の週のNYダウは、底堅く推移すると考えられる。
なぜなら、パウエルFRB議長が議会証言で利下げの条件が整いつつあるとの見解を示したからだ。
9日(火)の上院銀行委員会、10日(水)の下院金融サービス委員会でパウエルFRB議長は議会証言を行い、利下げについてはこれまでと同様に明確な時期を示さなかった。
しかし、米経済は「もはや過熱した状態ではない」と述べたほか、労働市場は新型コロナが世界的に大流行した極端な状況からかなり冷え込み、多くの点でパンデミック以前の状態に戻っているとして、利下げを行う条件が揃いつつあることを示唆。
インフレ抑制と雇用維持という2つの政策目標の達成が可能であると自信を示すなど、利下げに対し慎重な見方を維持しながらも、これまでよりも少し踏み込んだ姿勢を示した。
同時に、さらなる良好なデータがみられれば、インフレ率がFRB当局の目標である2%に向けて低下しているとの確信が強まると発言。
今回一歩進展したと考えられるのが、パウエルFRB議長が雇用市場の過熱感が払しょくされたとの認識を示したことである。
今後は雇用の最大化に対してもより関心を強めるとみられているため、これまで以上に雇用統計の結果に市場が注目することを念頭に置いたほうがよさそうだ。
以上のとおり、パウエルFRB議長が慎重姿勢を維持しつつも利下げの条件が整いつつあるとの見解を示したため、市場にとってはポジティブサプライズとなった。
さらに、11日(木)に発表された6月米消費者物価指数がインフレ鈍化をうかがわせる結果となったことも、市場の利下げの条件が整いつつあるとの確度を強めるものとなり、この日のNYダウは堅調に推移している。
なお、12日(金)発表の6月米卸売物価指数の結果は前月、前年同月比ともに強い結果となったものの、9月利下げ開始との見通しが揺らぐほどのものではないとの見方から、この日のNYダウは堅調に推移した。
今後も市場は米経済指数の結果を注視すると考えられるため、7月15日~7月20日の週も注意が必要だ。
インフレ鈍化がうかがえる結果となった場合には、NYダウの上昇要因になると考えられる。
7月15日~7月20日の週は、16日(火)に6月米小売売上高、17日(水)に米地区連銀経済報告といった経済指標の発表が予定されているため、その結果に注目が集まるだろう。
同時に、景気後退リスクが高まる結果および内容になっていないか、という点も注視したい。
結果が事前予想を上回っても、景気後退リスクが意識されるものとなった場合にはNYダウは下落する可能性があることに留意する必要がある。
加えて、7月15日~7月20日の週は、15日(月)にゴールドマン・サックス・グループ、16日(火)にバンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレーといった米金融大手の決算発表があるため、その結果がNYダウに与える影響にも注意したい。
今週の日経平均株価は?
7月15日~7月20日の週の日経平均株価は、方向感が出にくい展開となりそうだ。
15日(月)は祝日のため休場となるが、その後は米国の経済指標の結果に影響を受けやすいだろう。
TSMCなど海外の半導体企業の決算発表も予定されているため、その結果も日経平均株価に影響を与えるとみられるが、下落した場合も下値は堅そうだ。
今週の推奨セクター
2024年7月15日~7月20日の週に推奨したいのは、機械である。
日本工作機械工業会が発表した5月受注確報によれば、受注合計は前月比、前年比ともにプラスとなり、回復傾向にあることが判明。
日本では軟調だが、中国や北米、インドが好調で、欧州は底堅い。
少しずつではあるが、回復が鮮明になりつつあるため、ポジティブである。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、非鉄の中でも銅の取扱いが大きいところである。
中国では製錬業者の増産が続き、中国の銅スポット価格が低迷している。
2025年3月期業績への影響は小さいと考えられるが、大幅な値下がりが続くとみられているため、今年の年末に行われる年契約に大きな影響を与えることが考えられる。
2026年3月期の業績に影響が出ると考えられるため、避けたほうがいいだろう。
今週の経済指標
なお、7月15日~7月20日の週は、16日(火)の6月米小売売上高、17日(水)の米地区連銀経済報告のほかに、15日(月)に7月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、17日(水)に6月米鉱工業生産、18日(木)に7月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数の発表が予定されている。
これらの結果に注意が必要だ。
また、19日(金)には日本の6月全国消費者物価指数の発表もあるため、こちらの結果にも注意したい。