知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2025年2月24日~3月1日)
2月24日~3月1日のNYダウと日経平均株価は不安定な展開になりそうだ。
先週の振り返り
2月17日~2月22日の週の日経平均株価は、上昇する日もあったが、週間では下落し軟調だった。
17日(月)は、前週末のNYダウが下落した一方、ナスダック総合指数が上昇したことから、この日の日経平均株価は続落してスタートすると小幅にプラス圏を回復した。
後場の日経平均株価は、円高が重しとなってこう着状態になり、前週末比24円82銭高の39,174円25銭で取引を終えた。
18日(火)の日経平均株価は、前日の米国株式市場がプレジデンツ・デーの祝日のため休場だったことから、方向感のない展開となったが、円安を受けて小幅高で推移した。
後場の日経平均株価は円安が後押ししたため、300円超上昇する場面もあったが、前日比96円15銭高の39,270円40銭で取引を終えた。
19日(水)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したが、日経平均株価はトランプ米大統領による関税発言を受けて軟調に推移すると、39,100円水準でもみ合いとなった。
後場の日経平均株価も軟調に推移し、前日比105円79銭安の39,164円61銭で取引を終えた。
20日(木)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したものの、日経平均株価は円高を受けて売り優勢になると、一時600円超まで下げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は安値もみ合いが続き、前日比486円57銭安の38,678円04銭と大幅に続落して取引を終えた。
21日(金)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したことから、日経平均株価は売り優勢となると下げ幅を拡大したが、植田日銀総裁の衆院予算委員会での発言を受けて円高が緩和されたため、切り返した。
後場の日経平均株価は3連休前のポジション調整売りが入ったことからもみ合いとなり、前日比98円90銭高の3,8776円94銭と反発して取引を終えた。
今週のNYダウは?
2月24日~3月1日の週のNYダウは、引き続き不安定な展開になりそうだ。
その理由として挙げられるのが、26日(水)のエヌビディアの決算だ。
同社の2025年1月期第4四半期決算が発表されるため、市場の注目を集めている。
1月27日に中国のAI企業ディープシークが、高性能なAIチップを低コストで開発したことから、エヌビディアの優位性が崩れるとの懸念が広がり、同社の株価は17%急落。
ディープシークショックとして市場を騒がせたが、18日(火)にはエヌビディアの株価は急落前の水準に回復している。
なお、エヌビディアについては、2025年1月期第4四半期決算(単独/11月~1月)の売上高は約380億ドルとの市場予想であり、2026年1月期第1四半期(2月~4月)の売上高を約420億ドルと予想している。
今回発表される同社の決算で売上高が市場予想を上回り、かつ、2025年1月期第3四半期から出荷をスタートさせた新型AI半導体「Blackwell」の売上高が好調で、見通しどおり2026年1月期以降は主力になるとの確度が高まれば、同社の株価は急上昇する可能性がある。
反対に、市場予想を下回る、市場予想どおりの結果に着地するといった場合には、下落する可能性があることに注意が必要だ。
また、2月24日~3月1日の週も、関税を巡るトランプ米大統領の発言や発信には気を付けたい。
トランプ米大統領は、18日(火)に米国に輸入される自動車に25%前後の関税を課す方針を明らかにしているが、ほかに、導入の検討を明らかにしていた半導体や医薬品について、関税率が25%以上になると述べた。
そのため、2月24日~3月1日もトランプ米大統領の関税に関する発言を注視する必要がある。
さらに、2月24日~3月1日の週は、米国とロシアの首脳会談に関する報道も、NYダウの動向に影響を与える可能性があることに留意したい。
19日(水)に両国の高官協議がサウジアラビアで行われるなど、首脳会談に向けた動きが出ているが、月内に首脳会談を行う可能性を示唆したトランプ米大統領に対し、プーチン露大統領は「まだ準備が必要」と留保の姿勢を示したことから、2月24日~3月1日の週も引き続き動向に注意したい。
加えて、2月24日~3月1日の週も、米経済指標の結果がNYダウに影響を与えると考えられる。
ただ、19日(水)に公表されたFOMC議事要旨では、インフレ率が、「FRBが目標とする2%に向かってさらに鈍化するのを確認したい」と一部の当局者が述べていることが確認されるなど、早期利下げを急がないとの姿勢を崩していないことが改めて確認された。
2月24日~3月1日の週は、28日(金)発表の1月米個人消費支出の結果に注目が集まると考えられるが、根強いインフレが確認された場合には、NYダウの押下げ要因になる可能性があることに注意したい。
また、27日(木)に発表される10-12月期米四半期GDPの結果にも注目が集まるだろう。
今週の日経平均株価は?
2月24日~3月1日の週の日経平均株価も不安定な展開になりそうだ。
24日(月)が祝日で東京株式市場が休場となるため、市場が開くのは4日間だけである。
既述したとおり、26日(水)にエヌビディアの決算発表があり、その結果が半導体関連銘柄を中心に日経平均株価にも影響を及ぼすと考えられる。
もしもエヌビディアが好決算となったときには、日経平均株価の押し上げ要因になると考えられ、その後も半導体関連銘柄を中心に買いが入りやすいだろう。
反対に市場予想を下回ったときには、日経平均株価にも下押し圧力がかかると考えられるため、注意したい。
今週の推奨セクター
2月24日~3月1日の週に推奨したいのは小売りの中でも百貨店である。
旧正月期間に中国からの旅行者の来店が増加したことに加え、国内客の売上も好調に推移しているため、ポジティブである。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは飲食である。
昨年値上げした中で客数の減少がみられるところがあることに加え、米価格高騰の影響が今後表面化するところが出てくるとみられる。
そのため、避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
2月24日~3月1日の週は、27日(木)の10-12月期米四半期GDP、28日(金)発表の1月米個人消費支出のほかに、25日(火)に2月米リッチモンド連銀製造業指数、2月米消費者信頼感指数、26日(水)に11月米新築住宅販売件数、27日(木)に1月米耐久財受注の発表があるため、これらの結果に注意したい。