知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2025年3月3日~3月8日)
3月3日~3月8日のNYダウと日経平均株価は、引き続き不安定な展開になりそうだ。
先週の振り返り
2月24日~3月1日の週の日経平均株価は大幅下落した。
24日(月)は天皇誕生日の祝日のため、東京株式市場は休場だった。
25日(火)は、前日のNYダウが上昇した一方、ナスダック総合指数は下落したことから、日経平均株価は売り優勢で取引を開始すると、下げ幅を縮小。
後場の日経平均株価は半導体銘柄を中心に売りが入り、前週末比539円15銭安の38,237円79銭で取引を終えた。
26日(水)は、前日のNYダウが上昇した一方、ナスダック総合指数が下落したことから、日経平均株価は売り優勢となると38,000円台を割り込む場面もあった。
後場の日経平均株価は、エヌビディアの決算を控えて様子見ムードが広がって下げ渋り、前日比95円42銭安の38,142円37銭と続落して取引を終えた。
27日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウが下落したが、ナスダック総合指数が上昇した流れを引き継ぎ、買い優勢となった。
後場の日経平均株価は押し目買いが入り、前日比113円80銭高の38,256円17銭と小反発して取引を終えた。
28日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したことを受けて、日経平均株価は売り優勢となると、下げ幅を拡大。
後場の日経平均株価は1,400円超安になる場面もあるなど、一時37,000円を割り込む場面もあったが、前日比1,100円67銭安の37,155円50銭と急反落して取引を終えた。
今週のNYダウは?
3月3日~3月8日の週のNYダウは不安定な動向が続きそうだ。
その理由として、7日(金)に2月米雇用統計の発表があることに加え、トランプ米大統領の関税に関する発言に市場が神経質になることが挙げられる。
前回発表された1月米雇用統計は、非農業部門雇用者数が市場予想を下回った一方で、11月、12月は上方修正され、失業率は市場予想を下回り改善傾向を示した。
平均時給に関しては市場予想を上回る結果となった。
非農業部門雇用者数に関しては、年次改訂の影響があったことに加え、1月のロサンゼルスの大規模火災や、米国北東部の大雪の影響があったと考えられる。
平均時給の上振れも、悪天候によるパートタイム従業員の稼働率の低下が影響した一過性のもので、今のところインフレ懸念を再燃させるほどのものではないとの見方がされている。
19日(水)に発表されたFOMC議事要旨は、早期利下げを急がないFRBの姿勢を再確認する内容であった。
また、27日(木)には米クリーブランド連銀のハマック総裁が、米コロンビア大学で行われた講演で、FRBの金融政策は当面現行水準で維持されるとの見方を示したことが報道されている。
利下げ再開時期に市場の注目が集まっていることから、2月米雇用統計の結果と内容には注意が必要だ。
仮に7日(金)の米雇用統計で平均時給が上振れした場合、その理由に注目したい。
もしも、インフレ懸念を再燃させるような内容であった場合には、政策金利の据え置き期間の長期化などが懸念され、NYダウの押下げ要因になるだろう。
なお、3月3日~3月8日の週は、米雇用統計の前哨戦とされる5日(水)の2月米ADP雇用統計にも注目が集まると考えられるため、結果に注意したい。
さらに、3月3日~3月8日の週も、引き続きトランプ米大統領の発言に注意が必要だ。
27日(木)にトランプ米大統領が、麻薬のフェンタニルの流入について進展がみられないとして、メキシコ、カナダに対する25%の関税を予定どおり発動させることを表明。
すでに発動済の中国に対する10%の追加関税にさらに10%を上乗せする措置も行うことを明らかにした。
なお、同日にはホワイトハウスのNEC(国家経済会議)のハセット委員長が、メキシコとカナダを含む全ての国に対する関税について、来月1日に発表予定の調査結果を受けて決定すると表明している。
今回の関税措置に対して中国が報復を示唆していることから、市場では貿易戦争に発展するのではないかとの懸念が広がっている。
加えて、28日(金)に行われた米宇首脳会談では、トランプ米大統領とバンス米副大統領、ゼレンスキー宇大統領との間で口論になり、トランプ米大統領が「ゼレンスキー氏は和平の準備ができていない」とSNSに投稿。
共同記者会見は中止になり、鉱物資源の権益をめぐる合意文書も合意に至らず、和平交渉が決裂したとして、NYダウはマイナス圏に沈む場面もあった。
以上のとおり、関税に加えてウクライナ情勢への懸念もあり、3月3日~3月8日の週のNYダウは不安定になりやすい地合いが続くと考えられる。
今週の日経平均株価は?
3月3日~3月8日の週の日経平均株価も不安定な展開になりそうだ。
国内材料はこれといったものがないが、2月米雇用統計をはじめとする米経済指標の結果やトランプ米大統領の発言、ウクライナ情勢に左右されやすいだろう。
今週の推奨セクター
3月3日~3月8日の週に推奨したいのはゲームである。
3Qまでの間に大幅に株価が成長したところも多く、ヒットが予想されるタイトルもあるが、今年はNintendo Switchの後継機の発売や有力なゲームタイトルが予定されていることから、概ね好調な業績が期待される。
例年2月の中旬あたりから買われやすい地合いになる傾向もあるため、ポジティブである。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、紙・パルプである。
日本製紙連合会によれば、2025年の紙の内需、板紙ともに前年比減、全段連は段ボールの需要が前年比割れになるとの見通しを立てている。
そのため、国内では洋紙や板紙の引き合い増加が難しいと考えられ、値上げやコストの圧縮が必要になるとみられる。
海外は東南アジア事業が底入れすれば今後の回復に期待できると考えられるが、まだその状態にはないため、今は避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
3月3日~3月8日の週は、5日(水)の2月米ADP雇用統計、7日(金)の2月米雇用統計の発表のほかに、3日(月)に2月米ISM製造業景況指数、2月米製造業PMI、5日(水)に2月米サービス業PMI、2月米総合PMI、ベージュブックの公表がある。
これらの結果に注意したい。