知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2025年3月10日~3月15日)
3月10日~3月15日のNYダウは不安定な展開になりそうだ。
日経平均株価は、方向感の出にくい展開になると考えられる。
先週の振り返り
3月3日~3月8日の週の日経平均株価は乱高下したが、週間では下落した。
3日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウとナスダック総合指数が上昇した流れを引き継ぎ、大幅反発でスタートすると買い優勢となった。
後場の日経平均株価は上げ幅を拡大し、前営業日比629円97銭高の37,785円47銭で取引を終えた。
4日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したことから、売り優勢となると、円高も後押しして下げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は、円高が一服したことから買いが入る場面もあったが、半導体株を中心に売りが入り、前日比454円29銭安の37,331円18銭と反落して取引を終えた。
5日(水)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したものの、日経平均株価は前日終値水準で小動きとなった。
後場の日経平均株価は、米株先物の上昇を受けて上げ幅を拡大したが、前日比87円06銭高の37,418円24銭で取引を終えた。
6日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことから買い優勢で取引を開始したが、円高が重しとなって伸び悩んだ。
後場の日経平均株価は上値の重さから小動きになり、前日比286円69銭高の3万7704円93銭と続伸して取引を終えた。
7日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したため、売り優勢となると、円高の進行も影響し下げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は、円高の影響もあって安値のもみ合いが続き、前日比817円76銭安の36,887円17銭で取引を終えた。
今週のNYダウは?
3月10日~3月15日の週のNYダウは、引き続き不安定な展開になると考えられる。
理由の1つがが、トランプ米大統領の関税政策に関する発言である。
トランプ米大統領は、3日(月)にカナダとメキシコからの輸入品に対し、予定どおり4日(火)より25%の関税を課すことを発表。
これを受けてこの日のNYダウは下落し、翌4日(火)にはカナダとメキシコの首脳が報復措置をとることを示唆したため、市場では警戒感が一段と強まった。
しかし、自動車メーカーからの要請を受けて、5日(水)にトランプ米大統領が「アメリカ・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」に含まれる品目は4月2日まで関税の対象としないと発表したことから、市場の警戒感が後退し、この日のNYダウは上昇。
さらに、翌日には米商務長官がメキシコ、カナダ関税を巡り、自動車以外も免除の可能性を示唆するなど方針の変更が続いたことから、市場は振り回された格好だ。
トランプ米政権は関税政策を積極的に推進しており、4日(火)に行った施政方針演説では、「数え切れない国々がわれわれよりもはるかに高い関税を課してきている。非常に不公平だ」と述べ、相互関税を4月2日に発動すると表明。
今後も今回のようなこと起こると予想される。
たとえば、半導体や医薬品に関しては1月27日に新たに関税を課す可能性に言及しているため、続報に注意が必要だ。
また、ウクライナ問題も市場に大きな影響を与えるため、動向を注視する必要がある。
28日(金)に行われた米国とウクライナ首脳会談は決裂し、その後、米国からウクライナへの軍事および情報支援を一時停止していることが明らかになった。
資源取引の正式合意と停戦が実現した場合には、NYダウやナスダック総合指数が急上昇する可能性もあるだろう。
加えて、3月10日~3月15日の週も米国の経済指標の結果に注意したい。
7日(金)に発表された2月米雇用統計は、事前予想の16万人を下回る15.1万人、失業率は事前予想と前月の4.0%から悪化し4.1%となったため、NYダウは下落した。
しかし、同日に行われたシカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネスのイベントで、パウエルFRB議長がFRBは政策調整を急ぐ必要はないとの見解を示す一方で、不確実性はあるものの、米経済は良好な状態にあると発言したことから、NYダウは上昇に転じて持ち直している。
3月10日~3月15日の週は、12日(水)に発表される2月米消費者物価指数の結果に特に注意が必要だ。
インフレ低下の兆候がみられる結果であれば、NYダウの上昇要因になるが、そうでない場合には市場に警戒感が広がりNYダウは下落する可能性がある。
今週の日経平均株価は?
3月10日~3月15日の週の日経平均株価は方向感の出にくい展開になりそうだ。
米国の株式指数の影響を受けやすいと考えられるため、12日(水)発表の2月米消費者物価指数の結果に注意する必要がある。
また、同時に為替の動向も注視したい。
注目度の高い2月米消費者物価指数の結果が弱いものになれば、円高が進行する可能性があり、日経平均株価の上値抑制要因になるだろう。
なお、11日(火)は日本の10-12月期四半期GDPが発表されるため、その結果にも注意を払いたい。
今週の推奨セクター
3月10日~3月15日の週に推奨したいのは、銀行や物流などの内需関連銘柄のうち、高配当のものである。
米国による追加関税の影響を受けにくいうえ、3月中は3月期決算企業を中心に期末配当の権利確定日に向けて高配当銘柄に買いが入りやすいと考えられる。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、自動車や輸送機、商社、卸売りなど、外需関連の銘柄である。
これから4月にかけて米国の関税政策を巡り、各国との交渉が活発化すると考えられ、様子見ムードが広がりやすい。
見通しが立てにくいことから、避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
3月10日~3月15日の週は、12日(水)の2月米消費者物価指数の発表のほかに、13日(木)に2月米卸売物価指数、14日(金)に3月ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表がある。
また、既述したとおり、11日(火)には日本の10-12月期四半期GDPがあるため、これらの結果に注意が必要だ。