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今週の相場見通しについて(2025年3月17日~3月22日)
相場見通し(2025年3月17日~3月22日)
3月17日~3月22日の週のNYダウと日経平均株価は、週の前半は米FOMCを前に様子見ムードが広がりやすいだろう。
週の後半は、NYダウは不安定な展開が続き、日経平均株価は不安定ではあるものの、底堅く推移しそうだ。
先週の振り返り
3月10日~3月15日の週の日経平均株価は、変動の激しい日もあったが、週間では上昇した。
10日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウとナスダック総合指数が上昇した流れを引き継いで反発すると、円高の影響を受けてマイナス圏に沈む場面もあったが、押し目買いが入ったことからプラス圏に浮上した。
後場の日経平均株価は上値が重く、前週末比141円10銭高の37,028円27銭で取引を終えた。
11日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が大幅反落したことから、売り優勢となると円高を受けて一時1000円超下落したが、下げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は、買い戻しが入り下げ幅を縮小し、前日比235円16銭安の36,793円11銭で取引を終えた。
12日(水)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が続落したため、この日の日経平均株価は小幅マイナスでスタートしたが、切り返すと、前日終値水準で小動きが続いた。
後場の日経平均株価は、材料難から上値の重い状態が続き、前日比25円98銭高の36,819円09銭で取引を終えた。
13日(木)は前日のNYダウが下落した一方、ナスダック総合指数が上昇したことから、日経平均株価は買い優勢となると、もみ合いが続いた。
後場の日経平均株価は、円高の影響から上昇幅を縮小し、前日比29円06銭安の36,790円03銭で取引を終えた。
14日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したことから、売り優勢となったが、円安が後押しすると切り返した。
後場の日経平均株価は、円安傾向になったことに加え、時間外の米株先物が300円超高となる場面があったことから高値圏でのもみ合いが続き、前日比263円07銭高の37,053円10銭で取引を終えた。
今週のNYダウは?
3月17日~3月22日の週のNYダウは、前半は様子見ムードになり、後半は引き続き不安定な展開になると考えられる。
なぜなら、18日(火)と19日(水)に米FOMCが開催されるからである。
トランプ米政権の関税政策とインフレへの警戒感から、FRBは利下げに慎重であるとの見方が強い。
そのため、今回のFOMCでの政策変更はないとみられており、14日(金)時点でのCMEのFedwatchでは据え置き予想が99%となっている。
7日(金)にシカゴ大学ブース経営大学院の経済フォーラムで演説したパウエルFRB議長は、インフレ鎮静化は不均一ながらも進展しており、雇用も引き続き増加していると述べる一方で、トランプ米政権が貿易、移民、財政政策、規制の4分野で重要な政策変更を行っているため、経済に与える影響がより明確になるまで、FRBは金利引き下げを急ぐつもりはないとの見解を示した。
市場では、どのタイミングで次の利下げが行われるのか、という点が注目されているが、14日(金)時点でのFedwatchでは、利下げのタイミングを5月とする予想が29%ほどであるのに対し、6月とする予想は57%ほどとなっている。
一方、14日(金)のブルームバーグの報道によれば、同紙が実施したエコノミスト調査で、今年上期は金利の据え置きが続き、9月以降2回の利下げが行われるとの見方がされているとのことである。
以上のとおり、現状では利下げのタイミングは早くても6月以降との見方が有力であるため、今回のFOMCでは利下げが行われないとの見方が大勢を占めているようだ。
今回は、トランプ米政権の関税政策に対する警戒感から、利下げに慎重な姿勢が維持されるとみられているため、予想どおり金利据え置きになったとしても、市場が特段大きな反応を示すことはないかもしれない。
ただ、FOMC終了後に行われるパウエルFRB議長の定例記者会見での発言には注意したい。
また、3月17日~3月22日も米経済指標が発表されるが、特に17日(月)に発表の2月米小売売上高の結果には注目する必要がある。
さらに、3月17日~3月22日の週は、トランプ米政権による関税についても引き続き注意が必要だ。
11日(火)にカナダに対し、鉄鋼とアルミニウムに追加関税を課すと表明したほか、EUに対し、ワインなどの酒類に200%の関税を課す可能性を示唆した。
それに対し、カナダやEUが報復関税を課すことを明らかにするなど、関税合戦の様相を呈している。
トランプ米政権は今後、自動車や半導体、医薬品、銅、木材製品などにも関税を課すことを検討しているため、3月17日~3月22日の週も関税に関する動向を注視したい。
今週の日経平均株価は?
3月17日~3月22日の週の日経平均株価は、米FOMCを前に、週の前半は様子見ムードが強まりそうだ。
また、18日(火)と19日(水)には日銀金融政策決定会合も開催され、終了後の植田日銀総裁の発言に注目が集まるだろう。
週の後半は不安定な展開になりやすいとみられているが、円高が一服したことから、下落時も底堅く推移しそうだ。
今週の推奨セクター
3月17日~3月22日の週に推奨したいのは、小売りの中でも百貨店である。
春節で日本を訪れた中国観光客を中心に百貨店の2月の売上高は概ね好調に推移したため、ポジティブである。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、鉄鋼である。
中国政府は過剰生産能力に対処する介入の一環として、減産を通じて鉄鋼産業を再編する方針を示した。
ただ、具体的な減産規模は明らかになっておらず、中国の鉄鋼生産が5,000万トン減少しても、世界の鉄鉱石需要の減少は約1,500万トンで、世界の海上貿易市場の1%程度にとどまるため、大きな影響はなさそうだ。
毎年3~5月は需要期であるにも関わらず、鋼材市況はアジアを中心に軟調である。
これから夏季に入る国では不需要期を迎えるが、中国の減産の影響が限定的であると、今後事業環境は厳しさを増すとみられるため、避けたほうがいいだろう。
今週の経済指標
3月17日~3月22日の週は、17日(月)の2月米小売売上高の発表、18日(火)と19日(水)に米FOMC、19日(水)にパウエルFRB議長の会見があるほか、17日(月)に3月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、18日(火)に2月米鉱工業生産、20日(木)に3月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数の発表がある。
また、既述したとおり、18日(火)と19日(水)に日銀金融政策決定会合、19日(水)に植田日銀総裁の会見もあるため、これらの結果や内容に注意したい。