明治安田生命相互会社の特定目的会社である明治安田生命2016基金特定目的会社が特定社債の募集を開始します。詳細を確認してみましょう。
明治安田生命2016基金特定目的会社第1回A号特定社債(一般担保付)の詳細
- 名称:明治安田生命2016基金特定目的会社第1回A号特定社債(一般担保付)
- 愛称:近鉄伊勢志摩ボンド
- 発行総額:500億円
- 仮条件利率:0.15%~0.50%
- 正式利率:0.28%(平成28年7月28日決定)
- 申込期間:平成28年7月29日から平成28年8月8日
- 払込期日:平成28年8月8日
- 償還日:平成33年8月9日
- 発行価格:額面100円につき100円
- 申込単位:額面100万円単位
- 格付:A+(R&I)、A(JCR)を取得予定
- 引受会社:三菱UFJモルガン・スタンレー証券、みずほ証券、大和証券、野村證券、債券│SMBC日興証券
明治安田生命2016基金特定目的会社第1回A号特定社債(一般担保付)の発行情報ソースはこちらです
主な証券会社のチラシは以下のとおりです。
明治安田生命2016基金特定目的会社第1回A号特定社債(一般担保付)の引受金額について
以下のとおりです。
引受人の氏名又は名称 | 引受金額 |
---|---|
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 18,500百万円 |
みずほ証券 | 15,000百万円 |
大和証券 | 6,000百万円 |
野村證券 | 6,000百万円 |
債券│SMBC日興証券 | 4,500百万円 |
合計 | 50,000百万円 |
明治安田生命2016基金特定目的会社第1回A号特定社債(一般担保付)の購入方法
証券会社ごとに購入方法を紹介します。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券での購入方法
取引店へ来店するか電話での取引及びインターネットトレードでの取引が可能です。
事業債・地方債 | 新発国内債券 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
みずほ証券での購入方法
3Sサポートコースならば、コールセンターでの取引に加え、店頭での取引が可能です。ダイレクトコースは、コールセンターでの取引限定となります。
大和証券での購入方法
「ダイワ・コンサルティング」コースの方は、取扱店に来店しての取引が可能です。「ダイワ・ダイレクト」コースの方は、取扱店に来店しての取引か、コンタクトセンターでの注文が可能です。
野村證券での購入方法
本店・支店での取引が可能です。
SMBC日興証券での購入方法
総合コースであれば、支店及びパソコンでの取引が可能です。
ダイレクトコースでの取扱いもパソコンでの購入は可能です。
明治安田生命2016基金特定目的会社とは?
明治安田生命保険相互会社と一般社団法人明治安田生命が優先出資して設立した特別目的会社(SPC)です。
相互会社自体が社債を発行することが明文化されていないことから、相互会社が優先出資によって特定目的会社を設立し、その特定目的会社が特定社債(基金債)を発行して資金を調達する手法が2004年あたりから始まっています。
今回、明治安田生命2016基金特定目的会社は、個人向けとして明治安田生命2016基金特定目的会社第1回A号特定社債(一般担保付)を、機関投資家向けとして明治安田生命2016基金特定目的会社第1回B号特定社債(一般担保付)を発行します。
社債とは?
社債は、会社が資金調達のために、発行する債券です。ようするに会社が、機関投資家や個人投資家などからお金を借りるためのツールですね。当然、社債を発行した会社は、原則として利率に定めた利払いを、社債を購入した機関投資家や個人投資家に支払います(ゼロクーポン債除く)。さらに、発行した社債は、償還期日に額面をもって、債券の所有者に資金を償還します。
上場企業などが発行する社債は、申込単位1億円の機関投資家向けの社債が多いのですが、一部は、申込単位が10万円から100万円程度の個人向けの社債もあります。
今回は特別目的会社が発行する特定社債であり、特定目的会社に優先出資した生命保険相互会社の基金を担保とした基金債ですが、本質的には社債と変わりは有りません。
社債のリスクについて
信用リスク
発行元が破綻した場合は、預けたお金が戻ってこない可能性があります。最悪全額償還されないケースもありえます。
流動性リスク
償還日前までに、自身の都合によりお金が必要となり、市場等で売却する場合、流動性が低いことから、適正な価格よりも若干安い金額で売却しなければならない可能性があります。ようするに火急のお金が必要なので足元を見られるということです。
価格変動リスク
償還日まで保持していれば関係ないのですが、償還日前までになんらかの事情で売却する必要が生じた場合、市場で売却することになりますので、額面の金額よりも高い金額で売却、もしくは低い金額で売却するといった価格変動するリスクがあります。
一般担保付社債とは?
一般担保付社債は、特別法に基づて発行された社債で、発行会社の全財産によって他の債権者よりも優先して弁済を受けられます。
財投機関債や、電力債、放送債券、NTT債、JT債、東京地下鉄債などがあります。
なお、一般担保付といっても、今回は、明治安田生命2016基金特定目的会社の債務に担保がついているだけですので、明治安田生命保険相互会社本体への担保でありませんん。
さらに明治安田生命保険相互会社の保証もついていませんのでご留意ください。
明治安田生命2016基金特定目的会社第1回A号特定社債(一般担保付)特定のリスクについて
この特定社債は、特定目的会社が明治安田生命相互会社を債権者とする基金債権以外は、特段の資産は無いため、明治安田生命相互会社が基金元本の償還や利払いの状況などによって、特定社債を購入した方に不利益になる恐れがあります。
具体的には、明治安田生命相互会社が経営破綻直前に陥った場合や、解散・破綻となった場合など、保険業法において、基金債権の支払制限されます。
また、相互会社から株式会社へ変更となった場合は期日前の償還される場合もありますのでご注意ください。(現時点で明治安田生命相互会社が株式会社化する事実はありません。)
明治安田生命2016基金特定目的会社第1回A号特定社債(一般担保付)購入の検討について
毎度のことながら、購入の是非について見当してみましょう。
明治安田生命相互会社の経営状況について
明治安田生命保険の経営指標は以下のとおりであり、経済環境が5年内に大変動しない限り破綻する可能性は極めて低いと思われます。
平成24年度 | 平成25年度 | 平成26年度 | |
---|---|---|---|
経常収益 | 4,691,035百万円 | 4,741,249百万円 | 4,558,629百万円 |
経常利益 | 396,951百万円 | 421,664百万円 | 383,854百万円 |
基礎利益 | 396,544百万円 | 460,405百万円 | 506,344百万円 |
当期純剰余 | 235,537百万円 | 239,387百万円 | 265,255百万円 |
総資産 | 33,000,742百万円 | 34,317,745百万円 | 36,469,024百万円 |
責任準備金残高 | 27,812,655百万円 | 29,210,826百万円 | 30,164,629百万円 |
貸付金残高 | 5,198,145百万円 | 5,136,765百万円 | 5,052,238百万円 |
有価証券残高 | 25,632,690百万円 | 27,204,427百万円 | 29,242,263百万円 |
ソルベンシー・マージン比率 | 930.30% | 945.50% | 1041.00% |
定期預金との比較による信用リスクのプレミアムの考察
続いて、検討すべきは、1000万円まで元本とその利息が保証されている定期預金の利息に比べてどの程度高いのかということです。つまり、信用リスク分のプレミアム(金利に上乗せ)がついた金利が上乗せされているかどうかです。
今回紹介した明治安田生命2016基金特定目的会社第1回A号特定社債(一般担保付)の利率は0.28%です。期間は約5年債ですので、5年もの定期預金との金利比較をします。
まず、メガバンクや多くの地方銀行の5年もの定期預金の店頭表示金利は0.01%ですので、それに比べると28倍の利率となります。
全国どこにお住まいでも口座開設可能、かつ取引可能なネットバンクや地方銀行のインターネット支店まで調査対象を広げると以下の2つの金融機関がおなじような金利の定期預金を取り扱っています
利率を考えると、信用リスク分のプレミアムはほぼ無いと言えます。
結論:オススメはしませんが1,000万円以上購入するならばご随意に
破綻リスクは極めて低いものも、利率的に物足りなさがあります。
定期預金は1,000万円までならば預金保険の対象となりますので、それ以上の金額を購入するならば、複数の金融機関(この場合はネット銀行と社債購入窓口である証券会社)の手続きの手間隙とリスクを天秤にかけてご判断ください。
【参考】最新の社債情報はこちらを
Copyright secured by Digiprove © 2016