イオンモール株式会社第27回無担保社債(社債間限定同順位特約付)の発売が公表されました。
詳細を確認してみましょう。
イオンモール株式会社第27回無担保社債(社債間限定同順位特約付)の詳細
- 愛称:ハピネスモール債
- 発行総額:300億円
- 各社債の金額:金100万円
- 金利条件(仮条件):年0.20%~0.6%
- 金利条件(正式):年0.39%(2021年3月12日決定)
- 払込金額:各社債の金額100円につき金100円
- 償還金額:各社債の金額100円につき金100円
- 年限:5年
- 申込期間:2021年3月15日から2021年3月30日
- 払込期日:2021年3月31日
- 償還日:2026年3月31日
- 利払日:毎年3月31日及び9月30日(初回利払日は2021年9月30日)
- 引受会社:みずほ証券、野村證券、SMBC日興証券
- 取得格付:A-(R&I)
イオンモール株式会社第27回無担保社債(社債間限定同順位特約付)の引受額
以下のとおりです。
引受人の氏名又は名称 | 引受金額 |
---|---|
みずほ証券 | 10,000百万円 |
SMBC日興証券 | 10,000百万円 |
野村證券 | 10,000百万円 |
合計 | 30,000百万円 |
イオンモール株式会社の購入特典について
イオンモール株式会社第27回無担保社債(ハピネスモール債)を申込期間中に購入すると、購入した方全員に、イオンモール株式会社指定のシネマで利用できるシネマチケットが貰えます。
貰えるチケット枚数は、100万円購入で2枚、200万円以上購入で4枚です。
ちなみに、チケットは、購入したあとに送付される応募申込書を返送しないと貰えませんのでご注意ください。
イオンモール株式会社第27回無担保社債(社債間限定同順位特約付)の購入方法
証券会社ごとに購入方法を紹介します。
みずほ証券での購入方法
3Sサポートコースならば、コールセンターでの取引に加え、店頭での取引が可能です。ダイレクトコースは、コールセンターでの取引限定となります。
SMBC日興証券での購入方法
総合コースであれば、支店及びパソコンでの取引が可能です。
ダイレクトコースでの取扱いもパソコンでの購入は可能ですが、オンライントレードの申し込み期間は終了しております。
野村證券での購入方法
本店・支店での取引が可能です。
イオンモールとは?
もともとは、岐阜繭糸株式会社という1911年創業の古い会社をジャスコが買収してジャスコ不動産株式会社と商号変更したのがはじまりです。
イオングループのショッピングセンター事業を展開・運営する企業で、日本最大級の商業ディベロッパーですね。
社債のリスクについて
信用リスク
発行元が破綻した場合は、預けたお金が戻ってこない可能性があります。最悪全額償還されないケースもありえます。
流動性リスク
償還日前までに、自身の都合によりお金が必要となり、市場等で売却する場合、流動性が低いことから、適正な価格よりも若干安い金額で売却しなければならない可能性があります。ようするに火急のお金が必要なので足元を見られるということです。
価格変動リスク
償還日まで保持していれば関係ないのですが、償還日前までになんらかの事情で売却する必要が生じた場合、市場で売却することになりますので、額面の金額よりも高い金額で売却、もしくは低い金額で売却するといった価格変動するリスクがあります。
検討すべきは信用リスク分の金利プレミアム
社債を購入を考える場合に、比較検討すべきは、1000万円まで元本とその利息が保証されている定期預金の利息に比べてどの程度高いのかということです。つまり、信用リスク分のプレミアム(金利に上乗せ)がついた金利が上乗せされているかどうかです。
今回紹介したイオンモール株式会社第27回無担保社債(社債間限定同順位特約付)の利率は0.39%となりますが、定期預金と比べて高いかどうか考えてみる必要があります。
イオンモール株式会社第27回無担保社債(社債間限定同順位特約付)の利率は投資案件としては物足りない
今回紹介したイオンモール株式会社第27回無担保社債(社債間限定同順位特約付)の利率は0.39%で、メガバンクの定期預金の金利の195倍です。
ネットバンクをみると、オリックス銀行のeダイレクト定期預金5年ものの金利が0.25%より、0.14%上回っています。
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利率面で預金保険により元本保証されているネットバンクの定期預金より高く、シネマチケットも貰えるので魅力的ですが、気になる点がショッピングセンターの今後です。
例えば中国の北京はコロナウイルスの流行を抑え込んだにも関わらず、撤退する商業施設のテナントが増え続けています。
中国に1000数百カ所以上あるショッピングモールが今、悲鳴を上げている。中国では、すでに街の人出は戻っているが、感染拡大期に新小売スーパー、デリバリーなどの「スマホ注文で宅配」の新小売サービスに慣れてしまい、わざわざ郊外のモールまで出掛けて買い物をするという習慣が失われてしまった。いずれ消費者の足が再びショッピングモールに向く日もやってくるかもしれないが、その日まで経営がもたないモールも多そうだ。アリババの創業者、ジャック・マー氏が2016年に予言した「すべての小売業は、新小売になる」が、コロナ禍で加速され、現実になろうとしている。
業界最大手のイオンモールが傾くような事態になるとは、考えにくいのですが、5年間どうなるのかちょっと不透明な点があります。
正直言って、この程度の利率で、長期の信用リスクを負ってまで投資するのが適切かどうか迷う案件ですので、投資する場合は、お手持ちの余裕資金の一部のみ投資することをおススメします。