楽天証券本社取材敢行第3弾をお届けします。
前々回は個人型確定拠出年金(個人型DC)のサービス内容を、前回は、楽天スマートコストシリーズについて詳しく伺いましたが、今回は楽天証券が夏からサービス開始した楽ラップについてについて伺いました。
取材1回目楽天証券に取材しました(その1:個人型確定拠出年金について)
取材2回目楽天証券に取材しました(その2:楽天スマートコストについて)
取材のご対応していただいたのは、前回と同様に楽天証券マーケティング本部マーケティング推進部小林マネージャーです。
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参考楽天証券「楽ラップ」を2016年7月2日よりサービス開始したので徹底解説しました
楽ラップについて
【すぱいく】2016年7月に楽ラップをスタートしましたが、サービス開始の意図についてお伺いします。
【小林マネージャー】
ラップ口座(投資一任運用商品)は、お客様から楽天証券でもサービスを開始して欲しいとのご要望をいただき、企画立案したものが楽ラップです。楽ラップは、大手ネット証券としては初めてのラップ口座サービスです。
しかし、すでに対面販売の証券会社や信託銀行などがラップ口座を取り扱っていましたので、後発組みである楽天証券としては、独自性があり、お客様にお選びいただけるサービスがどのようなものなのかを社内で議論していきました。
議論の中で、ちょうどITを駆使した金融サービスであるフィンテックが台頭してきたこともあり、このフィンテックの技術がラップ口座に適しているのではないかと考えました。
【すぱいく】フィンテックを利用するという点は、具体的には楽ラップの申込前にするアンケートのところですか?
【小林マネージャー】おっしゃるとおり、楽ラップを利用されるときに、ポートフォリオ選定など診断のために、最初にアンケートをお答え頂きます。この診断ツールがFinatextというフィンテック企業と共同で開発した「ロボ・アドバイザー」です。
従来型の対面販売のラップ口座は、担当者がお客様にアンケート形式のヒアリングを行っていますが、楽ラップが提供する「ロボ・アドバイザー」は、インターネット上ですべて完結します。
一見、金融知識とは関係の無い質問などをお答えいただくことで、お客様の性格や資産運用の目的、資産下落耐性などを判定し、最適なポートフォリオをご提案します。
楽ラップの運用について
【すぱいく】ラップ口座ということで最初に提示したポートフォリオの運用はどのようにするのですか?
【小林マネージャー】世界有数のグローバル・コンサルティング・ファームのマーサー社(Mercer)から、ポートフォリオの見直しなどの助言をうけて運用します。
また、ステート・ストリート・グローバルアドバイザー(SSGA)という米国最大級の資産運用会社から、ターゲット・ボラティリティ・トリガー(TVT)戦略の助言も受けます。ちなみに、SSGAからは、公募投資信託8ファンドの提供も受けています。
このターゲット・ボラティリティ・トリガー(TVT)戦略は、株式投資において大きい値動きのブレを一定の目標水準に収めるように、投資比率を柔軟に調整する戦略で、楽ラップ上は下落ショック軽減機能(TVT機能)という名前でご提案しています。この機能により、株価変動リスクが高まった場合に、株式投資の割合を減らして債券の投資割合を高め、株式相場の急激な下落による損失の緩和が期待できます。
もちろん、株価が下落後に債券割合が高まった直後に、株価が急騰した場合は、株式投資割合が少なくなっていることから、変更前にくらべてその上昇分をとり損なうデメリットもあります。9月24日からは、アンケートの結果で下落ショック軽減機能なしと診断されても、オプションで下落ショック軽減機能ありに変更することができるようになりました。
楽ラップのコストについて
【すぱいく】従来のラップ口座に比べると圧倒的に低いコストですね。
【小林マネージャー】申込などはシステム上ですべて完結し、人件費が抑制できることと、SSAGから提供された低コストの公募投資信託8ファンド、アセットマネジメントOne(旧DIAMアセットマネジメント)のたわらシリーズなど低コストのインデックスファンドを提供することにより、対面販売のラップ口座に比べて圧倒的な低コストを実現することができました。
楽ラップで運用するファンドについて
委託会社 | ファンド名 | 信託報酬 | 信託財産保留額 |
---|---|---|---|
SSGA | ステート・ストリート日本株インデックス・オープン | 0.1944% | 0.05% |
SSGA | ステート・ストリート 先進国株式インデックス・オープン | 0.2268% | 0.30% |
SSGA | ステート・ストリート 先進国株式インデックス・オープン(為替ヘッジあり) | 0.2376% | 0.30% |
SSGA | ステート・ストリート 新興国株式インデックス・オープン | 0.3132% | 0.25% |
SSGA | ステート・ストリート 日本債券インデックス・オープン | 0.1512% | 0.05% |
SSGA | ステート・ストリート 先進国債券インデックス・オープン | 0.2052% | 0.05% |
SSGA | ステート・ストリート 先進国債券インデックス・オープン(為替ヘッジあり) | 0.2160% | 0.05% |
SSGA | ステート・ストリート 新興国債券インデックス・オープン | 0.1296% | 0.05% |
AMOne | たわらノーロード 日経225(ラップ向け) | 0.1890% | 0.00% |
AMOne | たわらノーロード 先進国株式(ラップ向け) | 0.2214% | 0.00% |
AMOne | たわらノーロード 新興国株式(ラップ向け) | 0.3780% | 0.30% |
AMOne | たわらノーロード 国内債券(ラップ向け) | 0.1458% | 0.00% |
AMOne | たわらノーロード 先進国債券(ラップ向け) | 0.1890% | 0.00% |
AMOne | たわらノーロード 国内リート(ラップ向け) | 0.2754% | 0.00% |
AMOne | たわらノーロード 先進国リート(ラップ向け) | 0.3240% | 0.00% |
【すぱいく】
最近はエイト証券や独立系投資顧問でもフィンテックを駆使したラップ口座のサービスが増えてきました。楽ラップとかわりないコストを提供しているように思えますが。
【小林マネージャー】
他社のサービスは、ラップの運用・管理費用のみ明示していますが、ほとんどがETF保有コストを明示していませんので、ETF保有コストが外数になっていることに注意してください。
楽天証券のコストは、ラップの運営・管理費用や投資信託の信託報酬などを含めて最大年率0.990%(税込)です。これ以外にお客様が支払うコストはありませんし、この1%未満のコストは、相当リーズナブルな水準であると自負しております。
楽ラップの手数料について
固定報酬型にかかる料率(税込・年率)
運用資産の時価評価額 | 固定報酬率(税込・年率) | ||
---|---|---|---|
投資顧問料 | 運用管理手数料 | 合計 | |
1,000万円以下の部分 | 0.16% | 0.54% | 0.70% |
1,000万円超5,000万円以下の部分 | 0.49% | 0.65% | |
5,000万円超1億円以下の部分 | 0.43% | 0.59% | |
1億円超の部分 | 0.38% | 0.54% |
成功報酬併用型にかかる固定報酬料率(税込・年率)
運用資産の時価評価額 | 固定報酬率(税込・年率) | ||
---|---|---|---|
投資顧問料 | 運用管理手数料 | 合計 | |
1,000万円以下の部分 | 0.05% | 0.54% | 0.59% |
1,000万円超5,000万円以下の部分 | 0.49% | 0.54% | |
5,000万円超1億円以下の部分 | 0.43% | 0.49% | |
1億円超の部分 | 0.38% | 0.43% |
【すぱいく】
低コストといってもインデックスファンドの運用ができる投資家には必要ないサービスという意見もありますが、ラップ口座を利用したいニーズは少なからずはあるとは思っています。
【小林マネージャー】
おっしゃるとおりお客様がご自身でアセットアロケーションを定め、そのアセットアロケーションに沿ったインデックスファンドを購入することでポートフォリオを構築し、自分でリバランスなど管理することができる方には楽ラップはオススメしません。
しかし楽ラップは、アセットアロケーションの維持を自動にできますし、さらにロボ・アドバイザーによるポートフォリオは今後の経済見通しから随時見直しもします。
このように運用管理も含めてすべて自動で行いますし、運用報告も毎日確認することができますので、楽ラップは、資産管理のわずらわしいことはすべて楽天証券側が行うサービスとお考えください。
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楽ラップは10万円から資産運用が可能
【すぱいく】その資産管理のコストを含めると1%弱という手数料は資産運用に興味の無い方や投資初心者にはいいかもしれませんね。利用層は、やはりある程度資産があって本業等忙しくてそもそも投資に時間が割けない方が中心なのでしょうか?
【小林マネージャー】
計画段階において想定していた利用者層のイメージは、おっしゃるとおりです。しかし、サービスを開始してみたところ、株式トレード中心の方など、日ごろから資産運用されている方もご利用していただいております。
おかげさまで、楽ラップは、口座数も金額も当初計画よりも大幅に上回っており、正直言って驚いています。
【すぱいく】最低金額が10万円という敷居の低さが良いのかもしれませんね。
【小林マネージャー】楽ラップ最低金額10万円という条件は他社との差別化のために、かなりこだわりました。
本当は、1万円という設定も考えているのですが、システム面や委託会社との調整など課題も多いのも事実です。ただし、世界的に小ロットでの資産運用の流れは加速していますので、諦めないで検討していきたいと思います。
【すぱいく】楽ラップの運用成績は公表しないのですか?
【小林マネージャー】まだサービスを開始したばかりでデータが集まっていないところもありますが、運用成績を数字でお示ししたいと考えております。
楽ラップは、お客様ごとに運用コースが異なりますので、分かりやすい方法が無いかなども含めて社内で検討中です。
次回は最終回です
3回目の取材レポートは終了です。ほかにもいろいろ伺いましたので次回に続きます。
3回目の楽天証券取材レポートは終了です。次回は最終回です。
取材4回目楽天証券に取材しました(その4:マネーブリッジの普通預金金利優遇などいろいろなこと)
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