株式会社商船三井が個人向け社債を発行します。
詳細を確認してみましょう。
株式会社商船三井第24回無担保社債(社債間限定同順位特約付)の詳細
- 名称:株式会社商船三井第24回無担保社債(社債間限定同順位特約付)
- 愛称:商船三井ブルーオーシャンサステナビリティ債
- 発行総額:50億円
- 仮条件利率:0.35%~0.80%
- 正式利率:0.49%(2019年8月24日決定)
- 申込期間:2019年7月16日から2019年7月26日
- 払込期日:2019年7月29日
- 償還日:2025年7月29日
- 利払日:毎年1月29日及び7月29日(初回利払日は2020年1月29日)
- 発行価格:額面100円につき100円
- 申込単位:額面10万円単位
- 格付:A‐(JCR)を7月12日に取得済み
- 引受会社:大和証券株式会社、野村證券株式会社
株式会社商船三井第24回無担保社債(社債間限定同順位特約付)はグリーンボンドです
今回起債される株式会社商船三井第24回無担保社債(社債間限定同順位特約付)は、温暖化対策や環境プロジェクトなどの資金を調達するために発行されるグリーンボンドです。
株式会社商船三井第24回無担保社債(社債間限定同順位特約付)により調達した資金は以下の事業などに充当される予定です。
- フィリピン商船大学の設立
- ワークプレイス改革推進
- バラスト水処理装置
- SOxスクラバー
- LNG燃料船
- LNG燃料供給船
- 新型PBCF
- ウインドチャレンジャー計画
株式会社商船三井第24回無担保社債(社債間限定同順位特約付)の引受金額について
以下のとおりです。
引受人の氏名又は名称 | 引受金額 |
---|---|
大和証券株式会社 | 6,000百万円 |
みずほ証券株式会社 | 3,500百万円 |
岡三証券株式会社 | 500百万円 |
合計 | 10,000百万円 |
株式会社商船三井第24回無担保社債(社債間限定同順位特約付)の購入方法
証券会社ごとに購入方法を紹介します。
大和証券での購入方法
「ダイワ・コンサルティング」コースの方は、取扱店に来店しての取引が可能です。「ダイワ・ダイレクト」コースの方は、取扱店に来店しての取引か、コンタクトセンターでの注文が可能です。
みずほ証券での購入方法
3Sサポートコースならば、コールセンターでの取引に加え、店頭での取引が可能です。ダイレクトコースは、コールセンターでの取引限定となります。
岡三証券での購入方法
詳細は店頭でご確認ください。
株式会社商船三井とは?
日本の三大海運会社(他は、日本郵船、川崎汽船)の1角で、国内の海運業界において売上高は2位を誇る東証一部上場企業です。
具体的な事業は、世界的な規模において定期船、不定期船、各種専用船、油送船及び液化ガス船による海上貨物運送業を行っています。
社債とは?
社債は、会社が資金調達のために、発行する債券です。ようするに会社が、機関投資家や個人投資家などからお金を借りるためのツールですね。当然、社債を発行した会社は、原則として利率に定めた利払いを、社債を購入した機関投資家や個人投資家に支払います(ゼロクーポン債除く)。さらに、発行した社債は、償還期日に額面をもって、債券の所有者に資金を償還します。
上場企業などが発行する社債は、申込単位1億円の機関投資家向けの社債が多いのですが、一部は、申込単位が10万円から100万円程度の個人向けの社債もあります。
今回の株式会社商船三井第24回無担保社債(社債間限定同順位特約付)は、10万円から購入可能の個人向け社債です。
社債のリスクについて
信用リスク
発行元が破綻した場合は、預けたお金が戻ってこない可能性があります。最悪全額償還されないケースもありえます。
流動性リスク
償還日前までに、自身の都合によりお金が必要となり、市場等で売却する場合、流動性が低いことから、適正な価格よりも若干安い金額で売却しなければならない可能性があります。ようするに火急のお金が必要なので足元を見られるということです。
価格変動リスク
償還日まで保持していれば関係ないのですが、償還日前までになんらかの事情で売却する必要が生じた場合、市場で売却することになりますので、額面の金額よりも高い金額で売却、もしくは低い金額で売却するといった価格変動するリスクがあります。
社債間限定順位特約とは?
今後起債する社債に担保をつけて発売すると、今回、無担保社債を購入した方(債権者)は不利益になりますので、他の社債に担保を設定しないと定めたものや、担保を設定した場合は、この社債間限定順位特約をつけた社債も同じ担保を設定することを約束したものが、社債間限定順位特約です。
株式会社商船三井第24回無担保社債(社債間限定同順位特約付)購入の検討について
毎度のことながら、購入の是非について検討してみましょう。
まず、社債を購入を考える場合に、比較検討すべきは、1000万円まで元本とその利息が保証されている定期預金の利息に比べてどの程度高いのかということです。つまり、信用リスク分のプレミアム(金利に上乗せ)がついた金利が上乗せされているかどうかです。
定期預金との比較による信用リスクプレミアムの考察
今回紹介した株式会社商船三井第24回無担保社債(社債間限定同順位特約付)の利率は0.49%です。期間は約5年債ですので、5年もの定期預金との金利比較をします。
まず、メガバンクや多くの地方銀行の5年もの定期預金の店頭表示金利は0.01%ですので、それに比べると約49倍の利率となります。
さらに、全国どこにお住まいでも口座開設可能、かつ取引可能なネットバンクや地方銀行のインターネット支店まで調査対象を広げても、この利率に勝てる定期預金はありません。
ちなみに、この社債の利率に勝てる5年もの定期預金は、大阪協栄信用組合しかありませんのでリスクプレミアムはそれなりについていると考えることができます。
(大阪協栄信用組合の定期預金は、直接店舗に出向かないと作成できません。)
-
【最大金利0.35%】大阪協栄信用組合はなぜ高利の定期預金を発売し続けるのか徹底解説
常に高利の定期預金を販売し続ける大阪協栄信用組合。 1000万円以上の大口定期預金ですが、1年もの金利 年0.330%と圧倒的な破壊力で常にランキング上位に位置 ...
商船三井が順調に5年間経営できるかどうかが焦点
続いて投資案件としてみた場合に、考えるべきことは社債の発行元のことです。今回の社債の発行元である商船三井のメイン事業は海上貨物運送業です。
この業界は世界景気に敏感な業種です。世界規模において部品などの搬送は海上輸送を行っていますし、原油などのエネルギーも海上輸送。さらに、出来上がった製品を輸出する場合も海上輸送がメインです。
つまり、世界景気が好調な場合は、海運業の経営は順調ですが、景気後退局面においては、物の往来が景気好調時に比べて落ち込むことから、海運業も厳しくなります。
たとえば、ロンドンのバルチック海運取引所が発表する外航不定期船の運賃指数であるバルチック海運指数は、リーマンショック前に11,793(2019年5月20日)の最高記録を記録したあと、わずか半年後の12月5日には663まで下がったことからみても、景気に大変敏感な業種です。
リーマンショックでも潰れないで経営を続けているんだから今後5年の間に世界的な不景気が来ても大丈夫だろうという判断もありますし、やはり怖いので止めるという判断もあります。
個人的には、投資案件としては信用リスクを負うわりには、利率の低さが若干気になります。
なお、無事に満期が到来した場合に投資元本が回収できるおなじような商品として金銭信託という商品もあります。
同時期に発売しているオリックス銀行eダイレクト金銭信託ソフトバンクグループ株式会社第28号(予定配当率0.48%)の方が期間は短いものもの利率は同程度という旨みがあり、そちらでも良いかなとも思いますが、実際に投資する場合は自己判断でお願いします。
-
オリックス銀行eダイレクト金銭信託ソフトバンクグループ株式会社第28号(予定配当率0.48%)が7月12日から募集開始
オリックス銀行の人気商品であるeダイレクト金銭信託(予定配当率型)ソフトバンクグループ株式会社第28号が7月12日から募集開始します。 このオリックス銀行eダイ ...
【参考】最新の社債情報はこちらを
Copyright secured by Digiprove © 2019