高利の個人向け社債として、三井住友トラスト・ホールディングス株式会社第12回期限前償還条項付無担保社債(劣後特約及び実質破綻時債務免除特約付)が発売されます。
詳細を確認してみましょう。
三井住友トラスト・ホールディングス株式会社第12回期限前償還条項付無担保社債(劣後特約及び実質破綻時債務免除特約付)の詳細
- 発行総額:30,000百万円
- 申込単位:100万円
- 仮条件利率(当初約5年):年0.15%~0.75%
- 仮条件利率(以降5年):5年物円スワップのミッド・レート+年0.26%~0.66%
- 正式利率(当初約5年):年0.41%(5月24日決定)
- 正式利率(以降5年):5年物円スワップのミッド・レート+0.43%(5月24日決定)
- 払込金額:各社債の金額100円につき金100円
- 償還金額:各社債の金額100円につき金100円
- 年限:約10年
- 申込期間:2019年5月27日から2019年6月7日
- 払込期日:2019年6月10日
- 償還日:2029年6月11日
- 利払日:毎年6月11日及び12月11日(初回利払い日は2019年12月11日)
- 引受会社:大和証券、野村證券、SMBC日興証券、岡三証券、東海東京証券
- 取得格付:A(R&I)
三井住友トラスト・ホールディングス株式会社第12回期限前償還条項付無担保社債(劣後特約及び実質破綻時債務免除特約付)の引受額
各社の引受額(販売額)は現時点で不明です。詳細が判明次第追記します。
引受人の氏名又は名称 | 引受金額 |
---|---|
大和証券株式会社 | 未定 |
野村證券株式会社 | 未定 |
SMBC日興証券株式会社 | 未定 |
岡三証券株式会社 | 未定 |
東海東京証券株式会社 | 未定 |
合計 | 30,000百万円 |
三井住友トラスト・ホールディングス株式会社第12回期限前償還条項付無担保社債(劣後特約及び実質破綻時債務免除特約付)の購入方法
証券会社ごとに購入方法を紹介します。
大和証券での購入方法
「ダイワ・コンサルティング」コースの方は、取扱店に来店しての取引が可能です。「ダイワ・ダイレクト」コースの方は、取扱店に来店しての取引か、コンタクトセンターでの注文が可能です。
野村證券での購入方法
本店・支店での取引が可能です。
SMBC日興証券での購入方法
総合コースであれば、支店及びパソコンでの取引ができますし、ダイレクトコースでの取扱いしていますので、パソコンでの購入は可能です。
岡三証券での購入方法
特にインターネットなどでの告知はしておりません。優良顧客向けに販売しているものと思われますが、詳細は店頭でご確認ください。
東海東京証券株式会社での購入方法
特にインターネットなどでの告知はしておりませんので、直接店頭でご確認ください。
三井住友トラスト・ホールディングスとは?
2011年に三井住友信託銀行と中央三井トラスト・ホールディングス(傘下に中央三井信託銀行と中央三井アセット信託銀行を持つ)が経営統合により設立された銀行持株会社であり、現在は、三井住友信託銀行を傘下に置きます。
三井住友銀行を傘下に持つ三井住友フィナンシャルグループと名前が混同されがちですが、直接の資本関係はありません。経営的にも両社は独立しており、同じ三井グループや住友グループであっても案件によっては対立することもありますので、間違えないようにしましょう。
社債のリスクについて
信用リスク
発行元が破綻した場合は、預けたお金が戻ってこない可能性があります。最悪全額償還されないケースもありえます。
流動性リスク
償還日前までに、自身の都合によりお金が必要となり、市場等で売却する場合、流動性が低いことから、適正な価格よりも若干安い金額で売却しなければならない可能性があります。ようするに火急のお金が必要なので足元を見られるということです。
価格変動リスク
償還日まで保持していれば関係ないのですが、償還日前までになんらかの事情で売却する必要が生じた場合、市場で売却することになりますので、額面の金額よりも高い金額で売却、もしくは低い金額で売却するといった価格変動するリスクがあります。
社債における劣後特約とは?
詳しく解説すると、破産など法的に財産を整理する必要が生じた場合に、他の債権の返済が終わってから、返済を受ける債権に付けられる特約です。つまり、同順位の債権が40万円と60万円あり、破綻したときの債務者の財産が10万円しかない場合は、40万円の債権者には4万円の弁済、60万円の債権者には6万円の弁済と、同順位債権間は、等比率での弁済となります。
一方、40万円の債権と、60万円の劣後特約債権があり、破綻したときの債務者の財産が10万円しかない場合は、40万円の債権者は10万円の弁済、60万円の劣後特約債権者は弁済されないという悲惨な結果になります。
このように、他の返済が終わってから返済される=劣後ということで、劣後特約と呼ばれ、債権の弁済順位が低いかわりに高い利率を享受できるというメリットがあります。
実質破綻時免除特約とは?
預金保険法126条の2に規定される特定第2号措置(金融機関が自身の財産をもっても債務を完済できない事態が発生する恐れが生じたり、債務の支払停止や停止する恐れのある金融機関に対して、金融市場その他の金融システムの著しい混乱が生ずるおそれがあるとみとめられた場合のみ、内閣総理大臣が実施できる資金援助などの措置)に該当した場合に、その特約が付保された社債を発行した発行元は、元利金や利息の支払などの義務を全て免除される特約です。
破綻一歩前でも、預金保険法126条の2に規定される特定第2号措置が講じられた場合は、社債の元金はこの特約により償還されません。
期限前償還条項付債券はオススメしません
期限前償還条項付債券は仕組債の一種です。期日前償還時に、金利が低下していた場合は、当然償還されます。
なぜなら、金利下落局面において、社債発行元は、わざわざ高い利率の社債の利払いをするよりも、期日前償還条項を行使し、さっさと償還したうえで、改めて低金利の社債が発行すればよいからです。
一方金利上昇局面においては、社債発行元は、低利の社債で利払いした方が有利であり、期日前償還条項を行使しません。投資家は金利上昇局面においても低い利率の社債をホールドするため、投資家にとっては不利です。
社債発行元が、期日前償還条項を行使しなかった場合に、投資家がその社債を市場で売却することを考えるかもしれません。
その時の市場金利よりも金利が安い既発債券は、市場売却価格が低くなるため、元本割れは確実です。
このようにオプション付社債は、社債発行元に有利であり、投資家にとっては不利です。
5年債と考えれば高利なのか?
ただし、5年間で償還される可能性が高いのだから、約5年間の利率0.45%(仮条件中央値)の社債と考えて投資したほうが良いとの意見もおありでしょう。
確かに1000万円までの元本が保障されている定期預金としては、これに勝てるのは大阪協栄信用組合 スーパー定期1000(利率0.5%)です。
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全国どこにお住まいでも預け入れるネットバンクなどを見ると、高利なのは、オリックス銀行のeダイレクト定期預金(5年もの、年0.3%)ですね。
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ただし、私個人としては、投資案件としてはあまり魅力的な利率ではないと考えます。
三井住友トラスト・ホールディングス株式会社第12回期限前償還条項付無担保社債(劣後特約及び実質破綻時債務免除特約付)の公式情報はこちら
ソースはEDINETです。E03611:三井住友トラスト・ホールディングス株式会社 (法人番号)9010001139555 S100FSSE:訂正発行登録書
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