ジャパン・ホテル・リート投資法人が個人向けの社債を発行します。
詳細を確認してみましょう。
ジャパン・ホテル・リート投資法人第11回無担保投資法人債(投資法人債間限定同順位特約付)の詳細
- 名称:ジャパン・ホテル・リート投資法人第11回無担保投資法人債(投資法人債間限定同順位特約付)
- 愛称:ホテル・リート・ボンド
- 発行総額:80億円
- 仮条件利率:0.660%~1.060%
- 正式利率:0.854%(5月24日決定)
- 申込期間:2019年5月27日から2019年6月13日
- 払込期日:2019年6月14日
- 償還日:2029年6月14日
- 利払日:毎年6月14日及び12月14日(初回利払い日は2019年12月14日)
- 発行価格:額面100円につき100円
- 申込単位:額面100万円単位
- 格付:A+(JCR)を取得予定
- 引受会社:SMBC日興証券株式会社、みずほ証券株式会社、FFG証券株式会社、西日本シティTT証券株式会社
ジャパン・ホテル・リート投資法人第11回無担保投資法人債(投資法人債間限定同順位特約付)の引受金額について
以下のとおりです。
引受人の氏名又は名称 | 引受金額 |
---|---|
SMBC日興証券株式会社 | 8,000百万円 |
みずほ証券株式会社 | 3,000百万円 |
FFG証券株式会社 | 500百万円 |
西日本シティTT証券株式会社 | 500百万円 |
合計 | 8,000百万円 |
ジャパン・ホテル・リート投資法人第11回無担保投資法人債(投資法人債間限定同順位特約付)の購入方法
証券会社ごとに購入方法を紹介します。
SMBC日興証券での購入方法
総合コースであれば、支店及びパソコンでの取引が可能、ダイレクトコースでの取扱いもパソコンでの購入は可能です。
みずほ証券での購入方法
3Sサポートコースならば、コールセンターでの取引に加え、店頭での取引が可能です。ダイレクトコースは、コールセンターでの取引限定となります。
FFG証券での購入方法
対面取引のみの取扱です。詳細は直接証券会社にお尋ねください。
西日本シティTT証券での購入方法
対面取引のみの取扱です。詳細は直接証券会社にお尋ねください。
ジャパン・ホテル・リート投資法人とは?
シンガポール系ファンド会社SC CAPITAL PARTNERSをスポンサーとするJ-REIT(多数の投資家から集めた資金で、オフィスビルや商業施設、マンションなど複数の不動産などを購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する商品)で、2012年にジャパン・ホテル・アンド・リゾート投資法人と日本ホテルファンド投資法人が合併により誕生しました。
サブスポンサーとしては、共立メンテナンスとオリックスが名を連ねています。
その名のとおりホテルなどを投資対象としています。
社債とは?
社債は、会社が資金調達のために、発行する債券です。ようするに会社が、機関投資家や個人投資家などからお金を借りるためのツールですね。当然、社債を発行した会社は、原則として利率に定めた利払いを、社債を購入した機関投資家や個人投資家に支払います(ゼロクーポン債除く)。さらに、発行した社債は、償還期日に額面をもって、債券の所有者に資金を償還します。
上場企業などが発行する社債は、申込単位1億円の機関投資家向けの社債が多いのですが、一部は、申込単位が10万円から100万円程度の個人向けの社債もあります。
今回のジャパン・ホテル・リート投資法人第11回無担保投資法人債(投資法人債間限定同順位特約付)は、100万円から購入可能の個人向け社債です。
社債のリスクについて
信用リスク
発行元が破綻した場合は、預けたお金が戻ってこない可能性があります。最悪全額償還されないケースもありえます。
流動性リスク
償還日前までに、自身の都合によりお金が必要となり、市場等で売却する場合、流動性が低いことから、適正な価格よりも若干安い金額で売却しなければならない可能性があります。ようするに火急のお金が必要なので足元を見られるということです。
価格変動リスク
償還日まで保持していれば関係ないのですが、償還日前までになんらかの事情で売却する必要が生じた場合、市場で売却することになりますので、額面の金額よりも高い金額で売却、もしくは低い金額で売却するといった価格変動するリスクがあります。
社債間限定順位特約とは?
今後起債する社債に担保をつけて発売すると、今回、無担保社債を購入した方(債権者)は不利益になりますので、他の社債に担保を設定しないと定めたものや、担保を設定した場合は、この社債間限定順位特約をつけた社債も同じ担保を設定することを約束したものが、社債間限定順位特約です。
ジャパン・ホテル・リート投資法人第11回無担保投資法人債(投資法人債間限定同順位特約付)購入の検討について
毎度のことながら、購入の是非について検討してみましょう。
まず、社債を購入を考える場合に、比較検討すべきは、1000万円まで元本とその利息が保証されている定期預金の利息に比べてどの程度高いのかということです。つまり、信用リスク分のプレミアム(金利に上乗せ)がついた金利が上乗せされているかどうかです。
定期預金との比較による信用リスクプレミアムの考察
今回紹介したジャパン・ホテル・リート投資法人第11回無担保投資法人債(投資法人債間限定同順位特約付)の利率は0.854%です。期間は約10年債ですので、10年もの定期預金との金利比較をします。
まず、メガバンクや多くの地方銀行の10年もの定期預金の店頭表示金利は0.01%ですので、それに比べると約86倍の利率となります。
さらに、全国どこにお住まいでも口座開設可能、かつ取引可能なネットバンクや地方銀行のインターネット支店まで調査対象を広げても、この利率に勝てる定期預金はありません。
なお、日本国内10年もの定期預金の最高金利は、大阪協栄信用組合のスーパー定期1000の年0.55%です。よって、リスクプレミアムはそれなりについていると考えることができます。
(大阪協栄信用組合の定期預金は、直接店舗に出向かないと作成できません。)
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リート本体は4%配当利回りです
続いて投資案件としてみた場合に、考えるべきことは社債の発行元のことです。今回の投資法人債の発行元であるジャパン・ホテル・リート投資法人ですが、丸紅系列のJ-REITとして母体はしっかりとしています。
また、投資対象も用途や地域の分散をしています。
ただし、ジャパン・ホテル・リート投資法人のリートは市場で購入可能であり、4%以上の配当金があります。
もちろん、リート本体を購入した場合は、市場で取引されることから価格は変動しますが、市場が開いている間であれば随時売却が可能ですので、10年間拘束されるこの社債を購入してまで0.854%の利率をゲットするのは正直言ってどうなんでしょうか。
現在堅調なレジャー産業も、東京オリンピック終了後は不安もあります。
個人的には、10年間も信用リスクを負うにしては利率がマッチしているとは正直といっていえない案件ですし、マイナス金利政策の終了を噂されていることから、金利上昇する可能性が十分あります。
つまり、社債投資環境から考えても、オススメはしません。
現状の金利情勢では、償還期限が1年程度、長くても2年の短期社債を購入するのが良いと考えます。
【参考】最新の社債情報はこちらを
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