フランスの自動車メーカーであるルノーの円建個人向け社債が12月6日から申込を開始します。
外資企業が円貨で起債する比較的めずらしい社債ですね。
詳しい内容を確認してみましょう。
ルノー第26回円貨社債の詳細
- 名称:ルノー第26回円貨社債
- 発行総額:2100億円(12月2日決定)
- 仮条件利率:年2.5%~年4.5%
- 正式利率:年2.8%(12月2日決定)
- 申込期間:2022年12月6日から2022年12月21日
- 払込期日:2022年12月22日
- 償還日:2026年12月22日
- 利払日:毎年6月22日及び12月22日(初回利払日は2023年6月22日)
- 発行価格:額面100円につき100円
- 申込単位:額面10万円単位
- 格付:条件決定後にR&I及びJCから債券格付けを取得する予定
- 引受会社:SMBC日興証券株式会社
ルノー第26回円貨社債の引受金額(販売額)について
ルノー第26回円貨社債はSMBC日興証券株式会社の独占販売です。他の証券会社では購入することはできません。
ルノー第26回円貨社債の購入方法
SMBC日興証券での購入方法
総合コースであれば、支店及びパソコンでの取引が可能です。
ダイレクトコースでの取扱いもパソコンでの購入は可能です。
社債とは?
社債は、会社が資金調達のために、発行する債券です。ようするに会社が、機関投資家や個人投資家などからお金を借りるためのツールです。
当然、社債を発行した会社は、原則として利率に定めた利払いを、社債を購入した機関投資家や個人投資家に支払います(ゼロクーポン債除く)。さらに、発行した社債は、償還期日に額面をもって、債券の所有者に資金を償還します。
上場企業などが発行する社債は、申込単位1億円の機関投資家向けの社債が多いのですが、一部は、申込単位が10万円から100万円程度の個人向けの社債もあります。
社債のリスクについて
信用リスク
発行元が破綻した場合は、預けたお金が戻ってこない可能性があります。最悪全額償還されないケースもありえます。
流動性リスク
償還日前までに、自身の都合によりお金が必要となり、市場等で売却する場合、流動性が低いことから、適正な価格よりも若干安い金額で売却しなければならない可能性があります。
ようするに火急のお金が必要なので足元を見られるということです。
価格変動リスク
償還日まで保持していれば関係ないのです。
ただし、償還日前までになんらかの事情で売却する必要が生じた場合、市場で売却することになります。
市場での取引すると、額面の金額よりも高い金額で売却、もしくは低い金額で売却するといった価格変動するリスクがあります。
ルノー第26回円貨社債購入の検討について
毎度のことながら、購入の是非について見当してみましょう。
まず、社債を購入を考える場合に、比較検討すべきは、1000万円まで元本とその利息が保証されている定期預金の利息に比べてどの程度高いのかということです。つまり、信用リスク分のプレミアム(金利に上乗せ)がついた金利が上乗せされているかどうかです。
定期預金との比較による信用リスクのプレミアムの考察
今回紹介したルノー第26回円貨社債の利率は2.8%です。期間は4年債ですので、4年もの定期預金との金利比較をしたいのですが、そもそも4年もの定期預金というのは大変種類が少なく比較するのが難しいです。
メガバンクや多くの地方銀行の3年もの定期預金や5年もの定期預金の店頭表示金利は0.002%ですので、それに比べると140倍の利率となります。
国内のすべての金融機関の定期預金を調べてもこの利率に勝る金利を提示する通常の定期預金はありません。退職金定期預金でさえ勝てるかどうかとうい設定です。
ルノーの経営状況をどう判断するか
利率面では定期預金よりも高くオススメしたいところですが、ルノーの経営状況をどう判断するのかという一点になります。
ルノーの決算は新型コロナウィルスの影響や半導体不足などにより2019年から2021年は赤字決算でしたが、2021年決算は黒字に転換しました。
コロナ流行に伴い受けた公的資金40億ユーロ(約45億5000万ドル)の早期返済(既に10億ユーロを返済済み)の意向を示していることから、今回の起債の背景はこのあたりになりそうです。
また、ルノーについては、日本国内ではあまり報道されないことも留意が必要です。
さらに、最低投資額は100万円と気軽に投資できる案件ではありません。
利率は高く人気になるとは思いますが、ウクライナ侵攻など欧州情勢も混迷を深めているところもあり、4年間無事に過ごせるのかどうか個人的に判断しかねるところもあります。
投資を決断した場合は、ご自身の余裕資金のうち数パーセント以内で投資するのが良いでしょう。
ルノー第26回円貨社債の公式情報はこちら
ルノー第26回円貨社債(2022)|SMBC日興証券(PDF)
【参考】最新の社債情報はこちらを
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