個人向け社債として、株式会社三井住友フィナンシャルグループ第15回期限前償還条項付無担保社債が発売されます。
詳細を確認してみましょう。
株式会社三井住友フィナンシャルグループ第15回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約及び劣後特約付)の詳細
- 発行総額:640億円(3月1日決定)
- 申込単位:100万円
- 仮条件利率(当初約5年):年0.85%~1.45%
- 仮条件利率(以降5年):5年国債金利+年0.65%~1.25%
- 正式利率(当初約5年):1.168%(3月1日決定)
- 正式利率(以降5年):5年国債金利+0.954%(3月1日決定)
- 払込金額:各社債の金額100円につき金100円
- 償還金額:各社債の金額100円につき金100円
- 年限:10年
- 申込期間:2023年3月2日から2023年3月15日
- 払込期日:2023年3月16日
- 償還日:2033年3月16日
- 期限前償還について:社債発行元は、金融庁長官の確認を受けたうえで、2028年3月16日に額面100円につき金100円の割合で期限前償還することが可能
- 利払日:毎年3月16日及び9月16日(初回は2023年9月16日)
- 引受会社:SMBC日興証券、野村證券、大和証券株式会社
- 取得格付:A+(R&I)、A+(JCR)
株式会社三井住友フィナンシャルグループ第15回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約及び劣後特約付)の引受額(販売額)
引受人の氏名又は名称 | 引受金額 |
---|---|
SMBC日興証券株式会社 | 54,000百万円 |
大和証券株式会社 | 7,000百万円 |
野村證券株式会社 | 3,000百万円 |
合計 | 64,000百万円 |
株式会社三井住友フィナンシャルグループ第15回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約及び劣後特約付)の発行情報ソースはこちらです
各証券会社のチラシは以下のとおりです。
- 株式会社三井住友フィナンシャルグループ第15回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約及び劣後特約付)|SMBC日興証券(PDF)
- 株式会社三井住友フィナンシャルグループ第15回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約及び劣後特約付)|大和証券(PDF)
- 株式会社三井住友フィナンシャルグループ第15回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約及び劣後特約付)|野村證券(PDF)
株式会社三井住友フィナンシャルグループ第15回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約及び劣後特約付)の購入方法
証券会社ごとに購入方法を紹介します。
SMBC日興証券での購入方法
総合コースであれば、支店及びパソコンでの取引が可能です。
ダイレクトコースでの取扱いもパソコンでの購入は可能で。
大和証券での購入方法
「ダイワ・コンサルティング」コースの方は、取扱店に来店しての取引が可能です。「ダイワ・ダイレクト」コースの方は、取扱店に来店しての取引か、コンタクトセンターでの注文が可能です。
野村證券での購入方法
本店・支店での取引が可能です。
株式会社三井住友フィナンシャルグループとは?
メガバンクである三井住友銀行を傘下に持つ三井住友フィナンシャルグループは、日本の3大金融グループの一角を担う持株会社です。
三井住友カード、SMBCファイナンスサービス、SMBC日興証券、SMBCフレンド証券、三井住友ファイナンス&リース、関西アーバン銀行、SMBCコンシューマーファイナンス(プロミス、モビット)、SMBC信託銀行(三井住友銀行100%子会社)などを実質的に支配しています。
三井住友信託銀行やを傘下に置く三井住友トラスト・ホールディングスと名前が混同されがちですが、直接の資本関係はありません。
経営的にも両社は独立しており、同じ三井グループや住友グループであっても案件によっては対立することもありますので、間違えないようにしましょう。
社債のリスクについて
信用リスク
発行元が破綻した場合は、預けたお金が戻ってこない可能性があります。最悪全額償還されないケースもありえます。
流動性リスク
償還日前までに、自身の都合によりお金が必要となり、市場等で売却する場合、流動性が低いことから、適正な価格よりも若干安い金額で売却しなければならない可能性があります。ようするに火急のお金が必要なので足元を見られるということです。
価格変動リスク
償還日まで保持していれば関係ないのですが、償還日前までになんらかの事情で売却する必要が生じた場合、市場で売却することになりますので、額面の金額よりも高い金額で売却、もしくは低い金額で売却するといった価格変動するリスクがあります。
社債における劣後特約とは?
詳しく解説すると、破産など法的に財産を整理する必要が生じた場合に、他の債権の返済が終わってから、返済を受ける債権に付けられる特約です。つまり、同順位の債権が40万円と60万円あり、破綻したときの債務者の財産が10万円しかない場合は、40万円の債権者には4万円の弁済、60万円の債権者には6万円の弁済と、同順位債権間は、等比率での弁済となります。
一方、40万円の債権と、60万円の劣後特約債権があり、破綻したときの債務者の財産が10万円しかない場合は、40万円の債権者は10万円の弁済、60万円の劣後特約債権者は弁済されないという悲惨な結果になります。
このように、他の返済が終わってから返済される=劣後ということで、劣後特約と呼ばれ、債権の弁済順位が低いかわりに高い利率を享受できるというメリットがあります。
実質破綻時免除特約とは?
預金保険法126条の2に規定される特定第2号措置(金融機関が自身の財産をもっても債務を完済できない事態が発生する恐れが生じたり、債務の支払停止や停止する恐れのある金融機関に対して、金融市場その他の金融システムの著しい混乱が生ずるおそれがあるとみとめられた場合のみ、内閣総理大臣が実施できる資金援助などの措置)に該当した場合に、その特約が付保された社債を発行した発行元は、元利金や利息の支払などの義務を全て免除される特約です。
破綻一歩前でも、預金保険法126条の2に規定される特定第2号措置が講じられた場合は、社債の元金はこの特約により償還されません。
期限前償還条項付債券とは?
期限前償還条項付債券とは、償還日以外にあらかじめ定めた日に元金の償還可能な社債です。社債の償還期限を社債発行元が選択できる代りに金利は有利な面にしており、コーラブル債とも呼ばれます。
今回は当初約5年間は1.168%の利率を、その後社債発行元が償還する権利を行使しなければ、年物円スワップのミッド・レート+年0.956%の利率が社債を購入した投資家が享受することができます。
期限前償還条項付債券はオススメしません
期限前償還条項付債券は仕組債の一種です。
期日前償還時に、金利が低下していた場合は、当然償還されます。
なぜなら、金利下落局面において、社債発行元は、わざわざ高い利率の社債の利払いをするよりも、期日前償還条項を行使し、さっさと償還したうえで、改めて低金利の社債が発行すればよいからです。
一方金利上昇局面においては、社債発行元は、低利の社債で利払いした方が有利であり、期日前償還条項を行使しません。投資家は金利上昇局面においても低い利率の社債をホールドするため、投資家にとっては不利です。
社債発行元が、期日前償還条項を行使しなかった場合に、投資家がその社債を市場で売却することを考えるかもしれません。
その時の市場金利よりも金利が安い既発債券は、市場売却価格が低くなるため、元本割れは確実です。
このようにオプション付社債は、社債発行元に有利であり、投資家にとっては不利です。
5年債と考えれば高利なのか?
ただし、5年間で償還される可能性が高いのだから、約5年間の利率1.1%以上の社債と考えて投資したほうが良いとの意見もおありでしょう。
国内のすべての金融機関の定期預金を調べてもこの利率に勝る金利を提示する通常の定期預金はありませんので、食指が動く方がいらっしゃることでしょう。
昨今、社債の利率が上昇傾向にあることから敢えて期限前償還条項付債券を購入しなくても良いとは思いますが、実際に投資する場合は株式会社三井住友フィナンシャルグループの業績など今後の見通しなどをよく調べたうえでご判断ください。
【参考】株式会社三井住友フィナンシャルグループ第16回無担保社債(実質破綻時免除特約及び劣後特約付)も発売します。
株式会社三井住友フィナンシャルグループ第16回無担保社債(実質破綻時免除特約及び劣後特約付)も同時期に発売となります。こちらは10年間同一利率です。
詳しくは以下のページをご覧下ください。
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株式会社三井住友フィナンシャルグループ第16回無担保社債(実質破綻時免除特約及び劣後特約付)が3月2日から発売開始【利率1.667%】
個人向け社債として、株式会社三井住友フィナンシャルグループ第16回無担保社債が発売されます。 詳細を確認してみましょう。 株式会社三井住友フィナンシャルグループ ...