個人向け社債とし株式会社群馬銀行第2回期限前償還条項付無担保社債が発売されます。
詳細を確認してみましょう。
株式会社群馬銀行第2回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)の詳細
- 発行総額:10,000百万円
- 申込単位:100万円
- 仮条件利率(当初約5年):年0.30%~0.70%
- 仮条件利率(以降5年):5年物円スワップのミッド・レート+年0.20%~0.60%
- 正式利率(当初約5年):年0.50%(4月14日決定)
- 正式利率(以降5年):5年物円スワップのミッド・レート+年0.43%(4月14日決定)
- 払込金額:各社債の金額100円につき金100円
- 償還金額:各社債の金額100円につき金100円
- 年限:約10年
- 申込期間:平成29年4月17日から平成29年4月27日
- 払込期日:平成29年4月28日
- 償還日:平成39年4月28日
- 期限前償還について1:社債発行元は、金融庁長官の確認を受けたうえで、平成34年7月26日に額面100円につき金100円の割合で期限前償還することが可能
- 期限前償還について2:社債発行元は、資本・税制が発生・継続した場合、、金融庁長官の確認を受けたうえで、償還期日前に額面100円につき金100円の割合で期限前償還することが可能
- 利払日:毎年4月28日及び10月28日(初回は10月30日)
- 引受会社:野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券
- 取得格付:A+(R&I)、A+(JCR)
株式会社群馬銀行第2回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)の引受額(販売額)
各社の引受額(販売額)は以下のとおりです。
引受人の氏名又は名称 | 引受金額 |
---|---|
野村證券 | 6,700百万円 |
大和証券 | 1,500百万円 |
SMBC日興証券 | 1,000百万円 |
みずほ証券 | 400百万円 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 400百万円 |
合計 | 10,000百万円 |
株式会社群馬銀行第2回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)の購入方法
証券会社ごとに購入方法を紹介します。
野村證券での購入方法
本店・支店での取引が可能です。
大和証券での購入方法
「ダイワ・コンサルティング」コースの方は、取扱店に来店しての取引が可能です。「ダイワ・ダイレクト」コースの方は、取扱店に来店しての取引か、コンタクトセンターでの注文が可能です。
SMBC日興証券での購入方法
総合コースであれば、支店及びパソコンでの取引が可能で、ダイレクトコースでの取扱いもパソコンでの購入は可能です。
みずほ証券での購入方法
3Sサポートコースならば、コールセンターでの取引に加え、店頭での取引が可能です。ダイレクトコースは、コールセンターでの取引限定となります。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券での購入方法
取引店へ来店するか電話での取引及びインターネットトレードでの取引が可能です。
事業債・地方債 | 新発国内債券 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
群馬銀行とは?
群馬県前橋市に本店を置く地方銀行です。群馬県内に103店舗、群馬県外46店舗を持ち、預金残高6兆2,936億円、貸し出し残高5兆473億円と地方銀行としてはトップ10には入りませんが、上位グループに位置する地方銀行です。
なお、群馬銀行の格付けは以下のとおりです。
- 格付投資情報センター:A+
- 日本格付研究所:AA
- ムーディーズ:A2
- スタンダード&プアーズ:A-
社債のリスクについて
信用リスク
発行元が破綻した場合は、預けたお金が戻ってこない可能性があります。最悪全額償還されないケースもありえます。
流動性リスク
償還日前までに、自身の都合によりお金が必要となり、市場等で売却する場合、流動性が低いことから、適正な価格よりも若干安い金額で売却しなければならない可能性があります。ようするに火急のお金が必要なので足元を見られるということです。
価格変動リスク
償還日まで保持していれば関係ないのですが、償還日前までになんらかの事情で売却する必要が生じた場合、市場で売却することになりますので、額面の金額よりも高い金額で売却、もしくは低い金額で売却するといった価格変動するリスクがあります。
社債における劣後特約とは?
詳しく解説すると、破産など法的に財産を整理する必要が生じた場合に、他の債権の返済が終わってから、返済を受ける債権に付けられる特約です。つまり、同順位の債権が40万円と60万円あり、破綻したときの債務者の財産が10万円しかない場合は、40万円の債権者には4万円の弁済、60万円の債権者には6万円の弁済と、同順位債権間は、等比率での弁済となります。
一方、40万円の債権と、60万円の劣後特約債権があり、破綻したときの債務者の財産が10万円しかない場合は、40万円の債権者は10万円の弁済、60万円の劣後特約債権者は弁済されないという悲惨な結果になります。
このように、他の返済が終わってから返済される=劣後ということで、劣後特約と呼ばれ、債権の弁済順位が低いかわりに高い利率を享受できるというメリットがあります。
実質破綻時免除特約とは?
預金保険法126条の2に規定される特定第2号措置(金融機関が自身の財産をもっても債務を完済できない事態が発生する恐れが生じたり、債務の支払停止や停止する恐れのある金融機関に対して、金融市場その他の金融システムの著しい混乱が生ずるおそれがあるとみとめられた場合のみ、内閣総理大臣が実施できる資金援助などの措置)に該当した場合に、その特約が付保された社債を発行した発行元は、元利金や利息の支払などの義務を全て免除される特約です。
破綻一歩前でも、預金保険法126条の2に規定される特定第2号措置が講じられた場合は、社債の元金はこの特約により償還されません。
期限前償還条項付債券とは?
期限前償還条項付債券とは、償還日以外にあらかじめ定めた日に元金の償還可能な社債です。社債の償還期限を社債発行元が選択できる代りに金利は有利な面にしており、コーラブル債とも呼ばれます。
今回は当初約5年間は0.5%の利率、その後社債発行元が償還する権利を行使しなければ、5年物円スワップのミッド・レート+0.43%の利率が社債を購入した投資家が享受することができます。
期限前償還条項付債券はオススメしません
期限前償還条項付債券は仕組債の一種です。期日前償還時に、金利が低下していた場合は、当然償還されます。
なぜなら、金利下落局面において、社債発行元は、わざわざ高い利率の社債の利払いをするよりも、期日前償還条項を行使し、さっさと償還したうえで、改めて低金利の社債が発行すればよいからです。
一方金利上昇局面においては、社債発行元は、低利の社債で利払いした方が有利であり、期日前償還条項を行使しません。投資家は金利上昇局面においても低い利率の社債をホールドするため、投資家にとっては不利です。
社債発行元が、期日前償還条項を行使しなかった場合に、投資家がその社債を市場で売却することを考えるかもしれません。
その時の市場金利よりも金利が安い既発債券は、市場売却価格が低くなるため、元本割れは確実です。
このようにオプション付社債は、社債発行元に有利であり、投資家にとっては不利です。
5年債と考えれば高利なのか?
ただし、5年間で償還される可能性が高いのだから、約5年間の利率0.5%の社債と考えて投資したほうが良いとの意見もあるかと思います。
確かに1000万円までの元本が保障されている定期預金としては、これに勝てるのは大阪協栄信用組合 スーパー定期1000(利率0.6%)です。
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全国どこにお住まいでも預け入れるネットバンクなどを見ると、高利なのは、SBJ銀行の定期預金(5年もの、年0.3%)ですね。
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私個人としては、群馬銀行が5年で破綻する可能性は少ないとは考えますが、一企業の信用リスクを負ってまで投資するには利率が低く、投資案件としては魅力的ではないと考えます。
【参考】最新の社債情報はこちらを
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