個人向け社債として、株式会社みずほフィナンシャルグループ第24回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)が発売されます。
詳細を確認してみましょう。
株式会社みずほフィナンシャルグループ第24回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)の詳細
- 発行総額:74,000万円
- 申込単位:100万円
- 仮条件利率(当初約5年):年0.35%~0.75%
- 仮条件利率(以降5年):5年物円スワップのミッド・レート+年0.40%~0.80%
- 正式利率(当初約5年):年0.56%(10月14日決定)
- 正式利率(以降5年):5年物円スワップのミッド・レート+年0.60%(10月14日決定)
- 払込金額:各社債の金額100円につき金100円
- 償還金額:各社債の金額100円につき金100円
- 年限:10年
- 申込期間:2020年10月15日から2020年10月29日
- 払込期日:2020年10月30日
- 償還日:2030年10月30日
- 利払日:毎年4月30日及び10月30日(初回は2020年4月30日)
- 引受会社:みずほ証券、大和証券、野村證券、岡三証券、東海東京証券
- 取得格付:A+(R&I)、A+(JCR)
株式会社みずほフィナンシャルグループ第24回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)の引受額(販売額)
各社の引受額(販売額)は以下のとおりです。
引受人の氏名又は名称 | 引受金額 |
---|---|
みずほ証券株式会社 | 50,000百万円 |
大和証券株式会社 | 12,000百万円 |
野村證券株式会社 | 5,000百万円 |
岡三証券株式会社 | 5,000百万円 |
東海東京証券株式会社 | 2,000百万円 |
合計 | 74,000百万円 |
株式会社みずほフィナンシャルグループ第24回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)の購入方法
証券会社ごとに購入方法を紹介します。
みずほ証券での購入方法
3Sサポートコースならば、コールセンターでの取引に加え、店頭での取引が可能です。ダイレクトコースは、コールセンターでの取引限定となります。
野村證券での購入方法
本店・支店での取引が可能です。
大和証券での購入方法
「ダイワ・コンサルティング」コースの方は、取扱店に来店しての取引が可能です
「ダイワ・ダイレクト」コースの方は、取扱店に来店しての取引か、コンタクトセンターでの注文が可能です。
岡三証券での購入方法
詳細は店頭でご確認ください。
東海東京証券株式会社での購入方法
特にインターネットなどでの告知はしておりませんので、直接店頭でご確認ください。
株式会社みずほフィナンシャルグループとは?
メガバンクであるみずほ銀行を傘下に持つみずほフィナンシャルグループは、日本の3大金融グループの一角を担う持株会社です。
元々は、第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の3社合併によって誕生した、みずほホールディングスの子会社でしたが、2003年3月に親子関係を逆転させて以来、現在は、みずほグループの統括会社となっています。
ちなみに、現在のみずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長は、日本興業銀行出身です。
みずほフィナンシャルグループは、みずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券、みずほ投信投資顧問、アセットマネジメントOne、オリエントコーポレーション、ユーシーカードなどを実質的に支配しています。
社債のリスクについて
信用リスク
発行元が破綻した場合は、預けたお金が戻ってこない可能性があります。最悪全額償還されないケースもありえます。
流動性リスク
償還日前までに、自身の都合によりお金が必要となり、市場等で売却する場合、流動性が低いことから、適正な価格よりも若干安い金額で売却しなければならない可能性があります。ようするに火急のお金が必要なので足元を見られるということです。
価格変動リスク
償還日まで保持していれば関係ないのですが、償還日前までになんらかの事情で売却する必要が生じた場合、市場で売却することになりますので、額面の金額よりも高い金額で売却、もしくは低い金額で売却するといった価格変動するリスクがあります。
社債における劣後特約とは?
詳しく解説すると、破産など法的に財産を整理する必要が生じた場合に、他の債権の返済が終わってから、返済を受ける債権に付けられる特約です。つまり、同順位の債権が40万円と60万円あり、破綻したときの債務者の財産が10万円しかない場合は、40万円の債権者には4万円の弁済、60万円の債権者には6万円の弁済と、同順位債権間は、等比率での弁済となります。
一方、40万円の債権と、60万円の劣後特約債権があり、破綻したときの債務者の財産が10万円しかない場合は、40万円の債権者は10万円の弁済、60万円の劣後特約債権者は弁済されないという悲惨な結果になります。
このように、他の返済が終わってから返済される=劣後ということで、劣後特約と呼ばれ、債権の弁済順位が低いかわりに高い利率を享受できるというメリットがあります。
実質破綻時免除特約とは?
預金保険法126条の2に規定される特定第2号措置(金融機関が自身の財産をもっても債務を完済できない事態が発生する恐れが生じたり、債務の支払停止や停止する恐れのある金融機関に対して、金融市場その他の金融システムの著しい混乱が生ずるおそれがあるとみとめられた場合のみ、内閣総理大臣が実施できる資金援助などの措置)に該当した場合に、その特約が付保された社債を発行した発行元は、元利金や利息の支払などの義務を全て免除される特約です。
つまり、特定第2号措置は、破綻一歩前であっても、噂などが広まってしまい日本の金融システム全体が混乱に陥るまえに発動されるものです。
この特定第2号措置が講じられた場合は、社債の元金はこの特約により償還されません。
期限前償還条項付債券とは?
期限前償還条項付債券とは、償還日以外にあらかじめ定めた日に元金の償還可能な社債です。社債の償還期限を社債発行元が選択できる代りに金利は有利な面にしており、コーラブル債とも呼ばれます。
今回は当初約5年間は仮条件中央値において0.55%の利率を、その後社債発行元が償還する権利を行使しなければ、年物円スワップのミッド・レート+0.5%(仮条件中央値)の利率計算した利払金を社債を購入した投資家が貰うことができます。
期限前償還条項付債券はオススメしません
期限前償還条項付債券は仕組債の一種です。
期日前償還時に、金利が低下していた場合は、当然償還されます。
なぜなら、金利下落局面において、社債発行元は、わざわざ高い利率の社債の利払いをするよりも、期日前償還条項を行使し、さっさと償還したうえで、改めて低金利の社債が発行すればよいからです。
一方金利上昇局面においては、社債発行元は、低利の社債で利払いした方が有利であり、期日前償還条項を行使しません。投資家は金利上昇局面においても低い利率の社債をホールドするため、投資家にとっては不利です。
社債発行元が、期日前償還条項を行使しなかった場合に、投資家がその社債を市場で売却することを考えるかもしれません。
その時の市場金利よりも金利が安い既発債券は、市場売却価格が低くなるため、元本割れは確実です。
このようにオプション付社債は、社債発行元に有利であり、投資家にとっては不利です。不利な条項を投資家に押し付ける代りの約5年間の金利0.4%程度では金利プレミアムはほぼ無く、割りにあわないと考えます。
5年債と考えれば高利です
ただし、5年間で償還される可能性が高いのだから、5年間の利率0.56%の社債と考えて投資したほうが良いとの意見もおありでしょう。
オリックス銀行のeダイレクト定期預金5年ものの金利は0.28%です。
-
オリックス銀行eダイレクト定期預金(インターネット取引専用預金)とダイレクト預金(通販型定期預金)の金利がダウン【2020年9月15日から】
オリックス銀行の人気商品であるeダイレクト定期預金とダイレクト預金の金利が2020年9月15日から変更になりました。 詳細を確認してみましょう。 オリックス銀行 ...
オリックス銀行の定期預金の倍近い利率であり、高い金利設定です。
後述しますが、同時期に発売される10年4か月債の第23回社債の方が利率が高いので、投資するならば第23回社債の方が良いとは思いますが、資金の長期間拘束を嫌うならばこちらの案件が良いでしょう。
【参考】株式会社みずほフィナンシャルグループ第23回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)も発売します。
株式会社みずほフィナンシャルグループ第23回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)も同時期に発売となります。こちらも期間10年債ですが、期限前償還条項付はついていませんので、10年間資金が拘束されます。
詳しくは以下のページをご覧下ください。
-
株式会社みずほフィナンシャルグループ 第23回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)が10月15日から発売開始【利率0.875%、10年債】
個人向け社債として、株式会社みずほフィナンシャルグループ第23回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)が発売されます。 詳細を確認してみましょう。 株 ...