大和証券グループの円建個人向け社債の募集を開始します。
詳細を確認してみましょう。
株式会社大和証券グループ本社第27回無担保社債(社債間限定同順位特約付)の詳細
- 名称:株式会社大和証券グループ本社第27回無担保社債(社債間限定同順位特約付)
- 発行総額:500億円
- 仮条件利率:0.15%~0.55%
- 正式利率:0.40%(平成28年4月5日決定)
- 申込期間:平成28年4月6日から平成28年4月22日
- 払込期日:平成28年4月25日
- 償還日:平成35年4月25日
- 利払日:毎年4月25日及び10月25日(初回利払日は平成28年10月25日)
- 発行価格:額面100円につき100円
- 申込単位:額面100万円単位
- 格付:A+(JCR)を取得予定
- 引受会社:大和証券株式会社
株式会社大和証券グループ本社第27回無担保社債(社債間限定同順位特約付)の利率について(追記)
仮条件は0.15%から0.55%でしたが、2016年4月5日に正式決定しました。株式会社大和証券グループ本社第27回無担保社債(社債間限定同順位特約付)の利率は0.40%で仮条件中央値(0.35%)に比べると0.05%高い水準です。
株式会社大和証券グループ本社第27回無担保社債(社債間限定同順位特約付)の引受金額について
以下のとおりです。つまり、株式会社大和証券グループ本社第27回無担保社債(社債間限定同順位特約付)は大和証券の独占販売ということです。
引受人の氏名又は名称 | 引受金額 |
---|---|
大和証券株式会社 | 50,000百万円 |
合計 | 50,000百万円 |
株式会社大和証券グループ本社第27回無担保社債(社債間限定同順位特約付)の発行情報ソースはこちらです
ソースはいつものとおり、EDINET。
E03753:株式会社大和証券グループ本社 S100797V:訂正発行登録書|EDINET
あと、大和証券もすでに公開しています。
株式会社大和証券グループ本社 第27回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(PDF)
株式会社大和証券グループ本社第27回無担保社債(社債間限定同順位特約付)の購入方法
「ダイワ・コンサルティング」コースの方は、取扱店に来店しての取引が可能です。「ダイワ・ダイレクト」コースの方は、取扱店に来店しての取引か、コンタクトセンターでの注文が可能です。
社債とは?
社債は、会社が資金調達のために、発行する債券です。ようするに会社が、機関投資家や個人投資家などからお金を借りるためのツールですね。当然、社債を発行した会社は、原則として利率に定めた利払いを、社債を購入した機関投資家や個人投資家に支払います(ゼロクーポン債除く)。さらに、発行した社債は、償還期日に額面をもって、債券の所有者に資金を償還します。
上場企業などが発行する社債は、申込単位1億円の機関投資家向けの社債が多いのですが、一部は、申込単位が10万円から100万円程度の個人向けの社債もあります。
社債のリスクについて
信用リスク
発行元が破綻した場合は、預けたお金が戻ってこない可能性があります。最悪全額償還されないケースもありえます。
流動性リスク
償還日前までに、自身の都合によりお金が必要となり、市場等で売却する場合、流動性が低いことから、適正な価格よりも若干安い金額で売却しなければならない可能性があります。ようするに火急のお金が必要なので足元を見られるということです。
価格変動リスク
償還日まで保持していれば関係ないのですが、償還日前までになんらかの事情で売却する必要が生じた場合、市場で売却することになりますので、額面の金額よりも高い金額で売却、もしくは低い金額で売却するといった価格変動するリスクがあります。
社債間限定順位特約とは?
今後起債する社債に担保をつけて発売すると、今回、無担保社債を購入した方(債権者)は不利益になりますので、他の社債に担保を設定しないと定めたものや、担保を設定した場合は、この社債間限定順位特約をつけた社債も同じ担保を設定することを約束したものが、社債間限定順位特約です。
株式会社大和証券グループ本社第27回無担保社債(社債間限定同順位特約付)購入の検討について
毎度のことながら、購入の是非について見当してみましょう。まず、社債を購入を考える場合に、比較検討すべきは、1000万円まで元本とその利息が保証されている定期預金の利息に比べてどの程度高いのかということです。つまり、信用リスク分のプレミアム(金利に上乗せ)がついた金利が上乗せされているかどうかです。
定期預金との比較による信用リスクのプレミアムの考察
今回紹介した株式会社大和証券グループ本社第27回無担保社債(社債間限定同順位特約付)の利率は0.40%です。期間は7年債ですので、7年もの定期預金との金利比較をしたいのですが、そもそも7年もの定期預金を取り扱っている金融機関は店頭表示金利程度しか出していません。ちなみに、メガバンクや多くの地方銀行の7年もの定期預金の店頭表示金利は0.01%ですので、それに比べると40倍の利率となります。
ネットバンクや地方銀行のインターネット支店まで調査対象を広げると、静岡銀行しずぎんインターネット支店の定期預金や伊予銀行 いよぎんインターネット支店専用定期預金などが7年もの定期預金を取り扱っており、金利は0.110%~0.125%です。よって、これに比べると3倍未満の利率水準となります。
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なお、国内の金融期間で一番高い7年もの定期預金を取り扱う金融機関は、大阪協栄信用組合 スーパー定期1000(金利0.75%)であり、株式会社大和証券グループ本社第27回無担保社債(社債間限定同順位特約付)は半分程度の利率となります。
メガバンクの定期預金よりも高い利率だが利率は物足りなく7年債というのもネック
利率面では一部の定期預金を除いてかなり有利であり、信用リスクのプレミアムはそこそこの水準かなとも思いますが、国債キャンペーンによるキャッシュバック率などを考えると正直物足りません。
また、払込から償還までの期間は7年という7年債であり、多額の資金が7年という長期間拘束されますので、流動性を犠牲にしてまで預入れる利率ではないと考えます。
さらに、社債は社債発行会社が破綻した場合になんら保護されないという信用リスクがありますし、7年の間に資金が必要となったときに、流動性低く、マイナス金利政策が解除となって金利が上昇した場合は、市場価格はかなり下落するため、買い叩かれる可能性があります。
7年間、大和証券が経営破たんするわけがないし、満額返還されるから安心して購入を決めるのはどうかなと思います。結論としては、安易に投資すべき案件では無いと考えます。
【参考】最新の社債情報はこちらを
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