投資信託は数多くあります。数が多すぎてどれを選べばよいか分からない人も多くそのあたりが投資信託のすそ野が広がらない原因かなと考えている管理人です。さて、今回紹介するのは国内債券型投資信託です。
投信ブロガー界においては、評価は全くされていませんが、天邪鬼の管理人はあえて記事にします。
国内債券型投資信託とは?
国内債券型投資信託とは、国内の公社債を投資対象とした投資信託です。公社債投資信託ともいわれます。
公社債とは国が発行する国債、地方自治体が発行する地方債、株式会社が発行する社債などです。
債券市場で取引され、個人向け債券ではSBI債やマネックス債などが有名ですね。
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公社債は、保有期間中は利息を定期的に受け取れ、償還日には額面全額が払い戻されるのが一般的です。
期待リターンが低いことから、敬遠される理由の一つとなっていますが、国内債券型投資信託の値動きは株式を組み入れた投資信託に比べてはるかに平穏です。
なお、国内債券型投資信託は指標と連動するインデックスファンドとアクティブファンドいずれも存在します。
国内債券型投資信託の値動き
グラフはSBI証券から転載させていただきました。
グラフを見ればお分かりになると思いますが、リターンは少ないですが安定した値動きが特徴です。
主な国内債券型インデックス投資信託について
主な国内債券型インデックス投資信託を解説します。なお、トータルリターン・標準偏差・シャープレシオは2016年1月時点の数値です。
三井住友・日本債券インデックス・ファンド
国内屈指の信託報酬を誇る国内債券型インデックスファンドです。純資産額としては他の国内債券型インデックスファンドに比べて圧倒的なボリュームを誇ります。確定拠出年金(DC)専用ファンドでしたが、現在は一般購入可能です。
三井住友・日本債券インデックス・ファンドの基本DATA
- 運用会社:三井住友アセットマネジメント
- ベンチマーク:NOMURA-BPI(総合)
- 信託報酬:0.176%(税込)
- トータルリターン(3年):1.95%
- 標準偏差(3年):1.58
三井住友・日本債券インデックス・ファンドの販売会社
三井住友・日本債券インデックス・ファンドは、SMBC日興証券、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券(投信工房)、東海東京証券で購入可能です。
たわらノーロード国内債券
2015年12月に新規設定されたアセットマネジメントOneの低コストインデックスファンドシリーズであるたわらノーロードシリーズの国内債券インデックスファンドです。
たわらノーロード国内債券の基本DATA
- 運用会社:アセットマネジメントOne(旧DIAMアセットマネジメント)
- ベンチマーク:NOMURA-BPI(総合)
- 信託報酬:0.165%(税込)
- トータルリターン(3年):---
- 標準偏差(3年):---
たわらノーロード国内債券の販売会社
たわらノーロード国内債券は、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券(投信工房)、SMBC日興証券の他にも、PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)やスルガ銀行で購入可能です。
iFree日本債券インデックス
2016年9月に新規設定されたインデックスファンドであり、現時点で最も安い信託報酬を誇ります。
iFree日本債券インデックスの基本DATA
- 運用会社:大和証券投資信託委託
- ベンチマーク:NOMURA-BPI(総合)
- 信託報酬(新発10年国債利回り1%未満):0.154%(税込)
- 信託報酬(新発10年国債利回り1%以上):0.242%(税込)
- トータルリターン(3年):---
- 標準偏差(3年):---
iFree日本債券インデックスの販売会社
iFree日本債券インデックスは、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券の他にも、静岡銀行(しずぎんインターネット支店含む)で購入可能です。
ニッセイ 国内債券インデックスファンド
2015年1月に新規設定されたインデックスファンドで、たわらノーロード国内債券ともに低廉な信託報酬です。 組入銘柄数が31と他のインデックスファンドに比べて圧倒的に少ないのが特徴です。
ニッセイ 国内債券インデックスファンドの基本DATA
- 運用会社:ニッセイアセットマネジメント
- ベンチマーク:NOMURA-BPI(総合)
- 信託報酬:0.165%(税込)
- トータルリターン(3年):---
- 標準偏差(3年):---
ニッセイ 国内債券インデックスファンドの販売会社
ニッセイ 国内債券インデックスファンドは、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券、松井証券(投信工房)、フィデリティ証券の他にも京都銀行で購入可能です。
三菱UFJ 国内債券インデックスファンド
信託報酬は低廉なのですが、3ヶ月に1度分配金を出します。よって、分配金への税金分だけパフォーマンスが悪くなります。
三菱UFJ 国内債券インデックスファンドの基本DATA
- 運用会社:三菱UFJ国際投信
- ベンチマーク:NOMURA-BPI(総合)
- 信託報酬:0.385%(税込)
- トータルリターン(3年):2.94%
- 標準偏差(3年):1.95
三菱UFJ 国内債券インデックスファンドの販売会社
三菱UFJ 国内債券インデックスファンドは、SBI証券、楽天証券、SMBC日興証券、八十二証券の他にも、三菱UFJ信託銀行や八十二銀行で購入可能です。
日本債券インデックスe
従前までは最安値の無分配型国内債券型インデックスファンドでしたが、最近は、信託報酬が低廉なファンドが登場したため、影が薄くなってしまいました。
日本債券インデックスeの基本DATA
- 運用会社:三井住友トラスト・アセットマネジメント
- ベンチマーク:NOMURA-BPI(総合)
- 信託報酬:0.407%(税込)
- トータルリターン(3年):2.89%
- 標準偏差(3年):1.94
日本債券インデックスeの販売会社
日本債券インデックスeは、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券、松井証券(投信工房)、岡三オンラインで購入可能です。
SMT 国内債券インデックス・オープン
2012年4月に信託報酬が下げられ、日本債券eと同じ水準になりましたが現時点では信託報酬が高いです。
SMT 国内債券インデックス・オープンの基本DATA
- 運用会社:三井住友トラスト・アセットマネジメント
- ベンチマーク:NOMURA-BPI(総合)
- 信託報酬:0.407%(税込)
- トータルリターン(3年):2.92%
- 標準偏差(3年):1.94
SMT 国内債券インデックス・オープンの販売会社
SMT 国内債券インデックス・オープンは、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券、松井証券(投信工房)、岡三オンラインなどの主要ネット証券の他にも各証券会社やPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)、ソニー銀行、ゆうちょ銀行やメガバンク、地方銀行さらには一部の信用金庫で取り扱っています。
野村インデックスファンド・国内債券(愛称:Funds-i 国内債券)
野村證券などで購入できるノーロードの国内債券型のインデックスファンドです。
野村インデックスファンド・国内債券(愛称:Funds-i 国内債券)の基本DATA
- 運用会社:野村アセットマネジメント
- ベンチマーク:NOMURA-BPI(総合)
- 信託報酬:0.407%(税込)
- トータルリターン(3年):2.88%
- 標準偏差(3年):1.94
野村インデックスファンド・国内債券(愛称:Funds-i 国内債券)の販売会社
SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券、ソニー銀行、SBI新生銀行、イオン銀行さらに地方銀行などで購入可能です。
i-mizuho国内債券インデックス
当初は、みずほ系列だけ販売していましたが、現在は販路が拡大傾向にあります。ただし、信託報酬が高いためおススメできません。
i-mizuho国内債券インデックスの基本DATA
- 運用会社:ブラックロック・ジャパン
- ベンチマーク:NOMURA-BPI(総合)
- 信託報酬:0.418%(税込)
- トータルリターン(3年):2.88%
- 標準偏差(3年):1.95
i-mizuho国内債券インデックスの販売会社
i-mizuho国内債券インデックスは、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券、松井証券(投信工房)、みずほ証券やみずほ銀行で購入可能です。
eMAXIS 国内債券インデックス
三菱UFJ 国内債券インデックスファンドと同じく三菱UFJ国際投信の国内債券型インデックスファンドです。信託報酬が高くおススメできません。
投資信託を銀行でしか購入したくない方にとっては、、eMAXISシリーズかSMTシリーズしか販売手数料無料(いわゆるノーロード)のインデックスファンドが無いので、選択の余地はあまりありませんね。
eMAXIS 国内債券インデックスの基本DATA
- 運用会社:三菱UFJ国際投信
- ベンチマーク:NOMURA-BPI(総合)
- 信託報酬:0.44%(税込)
- トータルリターン(3年):1.67%
- 標準偏差(3年):1.58
eMAXIS 国内債券インデックスの販売会社
eMAXIS 国内債券インデックスは、SMBC日興証券、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券などの証券会社の他にも、PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)、ソニー銀行、ゆうちょ銀行、静岡銀行(しずぎんインターネット支店含む)などの地方銀行で取り扱っています。
国内債券型投資信託は安全運用で投資信託のメリットも享受できる
正直言って、派手さは全くありませんが、年利1%程度の安全運用を享受できます。また、投資信託ですので、流動性(お金に換えたいときにすぐに換金できる。)に優れています。将来の債券市場の動向は予測不能ですが、何かあった時に換金が容易であるため、撤退も即座にできるということです。
ちなみに、解約時に信託財産留保額というコストがかかるタイプの投資信託がありますので、なるべく信託財産留保額が無い投資信託を選べば撤退時のコスト削減につながります。
よって、定期預金金利が低い時代こそ、国内債券型投資信託は、注目されても良いと思います。
国内債券型投資信託は何処で買えるの?
証券会社はもちろん銀行でも購入可能です。
手数料ビジネスに特化している銀行は購入手数料無料(いわゆるノーロード)の国内債券型インデックス投資信託を取り扱っていない場合もありますので注意してください。
おススメはネットで取引できる大手ネット証券会社。SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券などどこでもOKです。
SBI証券
国内最大規模のネット証券会社であり、手数料は最安値水準かつ圧倒的な取扱商品を取りそろえ、さらに使い勝手の良いうえに独自のサービスを常に提供するSBI証券。口座開設数が400万口座を突破したうえに、国内株式の個人の売買代金の4割はSBI証券からの発注と圧倒的な強さを誇ります。
SBI証券はオンライン口座開設ならば最短翌営業日から取引ができるスピーディーなネット証券です。
今なら期間限定で新規口座開設キャンペーンも実施中です。もちろん、口座開設費用や口座維持費用は無料ですよ。
マネックス証券
低廉な株式売買手数料が魅力のマネックス証券。マネックスポイントが貯まるのも良いですね。また高利の社債のマネックス債もマネックス証券でしか購入できません。
個人向け国債を購入するだけで現金が貰えるのも魅力ですし、個人型確定拠出年金(iDeCo)のコストも低くや取扱商品さらにサービスも大変手厚いです。
もちろん口座開設費用や口座維持費用も無料で、口座開設申込してから最短3日で取引可能と迅速な対応も売りのネット証券。
日本株以外も高配当かつ株価が40年近くも上昇しつづけている米国株式の取引に最も適した大変強い証券会社です。
定期預金ばかり契約されている方は、ためしに少額でも投資してみてはいかがでしょうか?
半年程度経過したあと、自分に合っていると思ったら、投資額を増やせば良いと思います。
ただし、危機管理は当然必要となります。情報収集が面倒だという方には敢えてお勧めしません。
【追記】マイナス金利導入後に国内債券型投資信託どうなるのか?
日本銀行が導入したマイナス金利付き量的・質的金融緩和の影響により、マイナス金利導入以前に既発売した債券は、利率が高いことから、債券市場で取引される価格が上昇しました。
この影響により国内債券型投資信託は、マイナス金利導入後、軒並み基準価格が上昇しています。
今回の上昇は一時的な要因によるものであることを留意してください。(マイナス金利の幅が増えた場合は、今回と同じ値動きを再現する可能性が極めて高いです。)
なお、今後は、資金流入に伴い、新たにマイナス金利後の債券を組入れる可能性があるため、利回りは以前に比べて見込めない可能性があります。
よって、マイナス金利政策が長引けば、信託報酬以上に、運用益が見込めない国内債券型投資信託が発生する可能性が出てきました。
国内債券型投資信託に今後投資する場合は、販売手数料がかからないいわゆるノーロードタイプであることは当然で、かつできる限り信託報酬が低廉なファンドを選ぶべきです。
しかしノーロードで信託報酬が安い国内債券型投資信託を取り扱っているのは、SBI証券、楽天証券、マネックス証券程度で、大手証券会社である野村證券や大和証券など対面販売中心の証券会社やメガバンク、地方銀行などでは取り扱っていません。
理由としては、信託報酬が低いということは販売側の取り分が少ないということです。ようするに、人件費の負担など経費が少ない大手ネット証券会社以外は取り扱わないのでご注意ください。